過払い金が発生するのがわかると、戻ってくる日が待ち遠しいですよね。かといって、「1日でも早く過払い金が振り込まれるにはどうしたらいいか」知っている人は少ないはずです。そもそも過払い請求で、弁護士や司法書士といった専門家に依頼すること以外にできることはあるのでしょうか?
今回は過払い金を1日も早く取り戻すために個人でできる行動や、過払い金が戻ってくるまでの期間を左右する重要な要素などを紹介していきます。
通常の過払い金が振り込まれるまでの平均の期間
過払い金の請求ができるとなると、「いくら返ってくるのか」と同時に「どのくらいで戻ってくるか」も気になるところではないでしょうか?
司法書士や弁護士に依頼した場合と、ご自身で請求した場合とで考えてみましょう。
司法書士・弁護士に依頼した場合
専門家に依頼した場合、過払い金が振り込まれるまでの期間の目安は以下のようになります。
- 和解で取り戻した場合…3~6か月
- 裁判で取り戻した場合…6か月~1年
取引履歴が開示されるまでに1~3か月、引き直し計算をして、貸金業者に過払い金返還請求をしてから実際に過払い金が返還されるまでは、2〜3か月かかるのが一般的です。専門家に依頼をしてから実際に返還されるまでの期間は合計で3~6か月程度となります。これはあくまでも目安で、状況により変動があります。
任意で和解できず訴訟に移行する場合は、6か月~1年間ほどかかることになります。
自分でした場合
自分で過払い金請求を行う場合、専門家に依頼するより時間がかかることはやむを得ないでしょう。引き直し計算や貸金業者との交渉、訴訟に移行した場合は裁判所対応などをすべて自分で行わなくてはならないからです。
そのときの状況や個人の対応スピードにもよるため、一概にかかる期間を示すことはできません。
過払い金請求手続きは専門的な知識が必要な上に、貸金業者の側も請求に慣れている専門家と個人とでは、異なる対応をとる場合もあるようです。そのため弁護士や司法書士に依頼されるのがおすすめです。
過払い金が早く貰えるかを左右する要素
過払い金請求には自分の力ではどうにもできない「過払い金が振り込まれるまでの期間を左右する要素」もあるようです。
裁判をするかどうか
過払い金請求手続きでは、交渉で和解できる場合と交渉が決裂して裁判に移行する場合とがあります。当然、和解で過払い金を取り戻したほうが振り込まれるまでの期間は短くなります。
しかし、貸金業者によってはこちらの希望金額を大きく下回る金額でしか合意しないと言い張るケースもあります。その場合、裁判をしないと取り戻せる過払い金が減ってしまうため、裁判をすることになります。
中には、任意の交渉でははるかに低い金額でしか合意しなかったり、交渉に長期の時間をかけたりする貸金業者もあります。そのようなケースでは、最初から裁判を選択肢に入れる事務所もあります。
裁判は、裁判所が決めたスケジュールで進行するため、どうしても時間がかかります。また、書面を出し合うことになり、それなりの手間と時間がかかってしまいます。
貸金業者のレスポンスの速度
過払い金請求がスムーズに進むかどうかは、過払い金請求をした貸金業者のレスポンスの速さにかかっています。どんなに依頼した事務所が貸金業者へ素早く連絡を入れても、相手からの返事が遅いと過払い金の交渉は進みません。
過払い金の交渉は双方が検討を重ねながら進めていくものなので、何度も話し合うことで和解が成立します。そのため返事の遅い貸金業者が相手だと、そのたびに話し合いが中断して余計な時間がかかってしまうのです。
貸金業者の経営状況
過払い金請求した貸金業者の経営状況が悪いと、減額交渉をしてきたり返還時期がかなり先の時期になったりしてしまうことがあります。
2006年に過払い金請求が認められるようになってから、貸金業者は過払い金返還で大きな負担がかかり、倒産や廃業が相次いでいます。倒産してしまうと過払い金が戻ってこない場合も多いです。
倒産した金融業者の例(民事再生含む)
- 武富士
- クロスシード
- クレディア
- SFコーポレーション(旧:三和ファイナンス)
- アエル(旧日立信販・ナイス)
- 丸和商事(ニコニコクレジット・アイリス)
- NISグループ(ニッシン・オリエント信販)
依頼した事務所の情報力と対応状況
過払い金を1日も早く取り戻すには、やはり事務所の力が大きいです。
ただ過払い金請求をすれば過払い金が戻ってくるのではなく、事務所がどれだけ貸金業者ごとの「返金率の相場」「返金時期の見込み」「訴訟の有無」「争点にしてくるポイント」「交渉レスポンスの速度」といった情報を把握し、対策を立てているかが重要になります。対策がないと交渉してもうまくいかず、時間がかかるばかりか「貸金業者に言いなりの少ない金額」しか取り返せなでしょう。
相談した際に「過払い金が戻ってくる時期」や「どのような点で時間がかかる」などを明確に回答してくれる事務所ほど、情報を把握し対策を立て、状況に応じてうまく対応できる事務所といえます。
過払い金が1日でも早く欲しいときにできること
過払い金が振り込まれる期間の目安はだいたいわかりました。ここからは「1日でも早く取り戻すためには、どのようなことができるのか」をご紹介していきます。行動するかどうかで何ヶ月も差が着く可能性もあるので、しっかりおさえておきましょう。
取引記録を自分で取り寄せる
まず一つ目は取引履歴を自分で取り寄せることです。取引履歴は弁護士や司法書士に依頼した場合、依頼先が貸金業者から取り寄せて引き直し計算をして過払い金を算出します。
取引履歴の取り寄せは専門家でなくても可能で、取り寄せ方法は窓口や郵送・電話・インターネットなどです。取り寄せにかかる期間は業者によって違いますが、1~2週間、遅いところで2ヶ月ほどかかることもあります。案件の混み合っている事務所だと「過払い金請求の順番待ち」になってしまい、取引履歴の取り寄せだけで1ヶ月以上待たされることもあります。しかし自分で取り寄せてから持ち込めば、取り寄せの順番待ち分の時間をショートカットできるかもしれません。
過払い金計算を自分でする
取引履歴が届いたら、過払い金がいくらあるか計算してみましょう。「計算なんて難しい」と思われるかもしれませんが、過払い金の計算ソフトがインターネット上でダウンロードできるので安心してください。
参照元 | URL |
名古屋消費者信用問題研究会 | http://www.kabarai.net/index.html |
アドリテイム司法書士事務所 | http://www.adlitem.or.jp/software/ |
案件が混み合っている事務所だと「過払い金請求の順番待ち」になってしまい、過払い金があるかないかの結果が出るまでに時間がかかってしまうことがあります。自分で利息計算をすれば、順番待ちする時間のショートカットが可能です。
ただし、計算をするときは上記の赤線部分を根気よく入力していく必要があります。「時間がない」「めんどくさい」といった方は、専門家に任せてしまったほうがよいでしょう。
過払い金の返還額よりスピード重視で和解する
過払い金が振り込まれる目安でご説明しましたが、裁判をすると和解に比べてかなり期間がかかります。裁判をすれば和解したときよりも戻ってくる金額が多くなるというメリットがあります。しかし裁判には期間だけでなく裁判費用も別途かかってくるので、和解でも過払い金の返還率が高い場合や過払い金が少額な場合はあまりおすすめできません。
例えば、過払い金の満額が20万円だった場合和解すると、だいたい70%の14万円が返ってきます。たった3ヶ月で14万円返ってくるのに、裁判で時間と労力を費やした結果、6万多く返ってきたところであまりお得感があるとは言えないですよね。
過払い金請求が得意な事務所に依頼する
司法書士や弁護士の事務所には、過払い金請求を得意としている事務所があります。その逆に、過払い金請求や債務整理以外の相談が多く、そのため過払い金請求の実績は少なく情報もあまり持たない事務所もあります。
過去の過払い金返還ではどのような対応をしている貸金業者なのか、社内の返還基準はどうなっているのかなど、知識やノウハウを持つ事務所に依頼した方が、手続きがスピーディに進む可能性が高くなります。
したがって、過払い金請求手続きの実績が少ない事務所を避け、得意な事務所を見つけて依頼することが、過払い金を早く取り戻すためのポイントといえるでしょう。
過払い金請求でおすすめの事務所
中央事務所
中央事務所は、東京・大阪・名古屋・福岡に拠点を置く司法書士事務所です。
2017年の創立から過払い金請求や債務整理を専門に扱っており、約100名の借金問題専門に司法書士が所属しています。
毎月3,000件以上の相談を受けている、借金問題専門の司法書士事務所のなかでは、かなりの大手です。
相談は無料、電話なら7時~24時、メールなら24時間年中無休で対応しています。
また相談料のほかに着手金も無料なので、初期費用がかかりません。過払い金請求をお考えの方のなかには「毎月の返済が多くて事務所費用が用意できない」という方もいらっしゃるでしょう。
中央事務所ならお金の心配をしなくても、すぐに過払い金請求を依頼できます。
事務所名 | 司法書士法人 中央事務所 |
債務に関する取扱い業務 | 過払い金請求・任意整理・個人再生・自己破産など |
特徴 | ・完全成功報酬制 ・過払い金の実績トップクラス |
料金 | 相談料・着手金:0円 (詳しくは要問合せ) |
代表者 | 田中秀平 |
対応エリア | 全国 |
所在地 | 東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル16階(東京本店) |
電話番号 | 0120-10-10-10 |
電話受付時間 | 7:00~24:00 年中無休 |
公式URL | https://10-10-10.jp/ |
東京ロータス法律事務所
東京ロータス法律事務所は、東京台東区にある弁護士事務所です。
出張相談に対応しており、東京から遠方でも弁護士がみずから出向いて相談にのってくれます。北海道や沖縄にお住まいでも依頼可能です。
弁護士事務所は平日のみ営業している事務所が多いですが、東京ロータス法律事務所は土日祝でも10時~19時で営業しています。
「平日は忙しくて、弁護士事務所には相談できない」と諦めている方でも、東京ロータス法律事務所ならご自身の都合に合わせて相談しやすいでしょう。
事務所名 | 弁護士法人 東京ロータス法律事務所 |
代表 | 永安優人(東京弁護士会) |
本店所在地 | 東京都台東区東上野1丁目13番2号廣丸ビル1-2階 |
対応エリア | 全国 |
電話 | 0120-686-005 |
受付時間 | 平日10:00~20:00 土日祝:10:00~19:00 |
ホームページ | https://tokyo-lawtas.com/ |
取扱い業務 | 債務整理、過払い金請求、交通事故、労働問題、離婚・相続問題 |
ひばり法律事務所
ひばり法律事務所は、個人事務所時代とあわせて25年以上の実績があります。
年間2,000件ほどの借金問題の相談を受けており、依頼者からの信頼も厚いです。
通常の営業時間は平日の10時~19時ですが、事前に問い合わせをしておけば土日や夜間などの時間外でも相談できます。もちろん全国からの依頼が可能です。
ひばり法律事務所は、女性専用相談窓口を開設しています。男性には話しづらいと感じる女性の相談者に好評です。
ひばり法律事務所の女性専用相談窓口から相談すれば、ベテランの女性弁護士と事務員が相談対応から問題解決までしっかりサポートしてくれます。
事務所名 | 弁護士法人 ひばり法律事務所 |
所属弁護士 | 落合 彩子(東京弁護士会) 山本 隆彦(第二東京弁護士会) |
本店所在地 | 東京都墨田区江東橋4丁目22-4 第一東永ビル6階 |
対応エリア | 全国 |
電話 | 0120-774-010 |
受付時間 | 平日10:00~19:00 土日の相談も対応可(予約制) |
ホームページ | https://hibari-law.net/ |
取扱い業務 | 債務整理、過払い金請求 |
事務所選びで迷ったときのポイント
事務所を選ぶときのポイントを以下に挙げますので、事務所選びで迷ったときの参考になさってください。
実績のある事務所かどうか
過払い金請求実績が多い事務所は、過払い金請求に強い事務所であるということができます。実績の多い事務所はさまざまなケースの過払い金請求を経験しており、ノウハウも豊富です。
貸金業者ごとの情報や知識が豊富な事務所では、有利な条件で交渉を進めることも可能です。また、過払い金請求手続きは、交渉以外に書類作成などにも時間が取られます。実績豊富な事務所では、書類作成も手慣れているためミスなくスピーディに対応してくれる可能性が高いでしょう。
実績は、公式ホームページで公表している事務所も多くあります。相談前にチェックしてみましょう。
過払い金に特化した事務所かどうか
過払い金請求や借金問題を専門的に扱う事務所は、回収金額が比較的高く、解決案件数の実績が豊富です。
蓄積されたノウハウがあるので、戻ってくる過払い金の金額が多い傾向にあり、さまざまなニーズに柔軟に対応してくれます。プライバシー配慮なども厳重に行ってくれます。
経験豊富だと「相談しやすい」と感じることも多いでしょう。
初期費用なしの事務所かどうか
初期費用がかからない完全成功報酬制の事務所がおすすめです。
過払い金請求手続きにかかる料金には様々な項目がありますが、相談料、着手金などの初期費用が無料でない事務所では、過払い金が万が一取り戻せなかった場合に、損をする結果となってしまう可能性があります。
完全成功報酬制はこれらの料金がかからず、過払い金が返ってきたときのみ費用がかかる仕組みです。
記事まとめ
過払い金を1日も早く取り戻す方法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
1日も早く取り返すためには取引履歴の取り寄せや過払い金の計算など自分でできることもありますが、さまざまなリスクを回避するためには最初から司法書士や弁護士といった専門家に依頼するのが一番です。
対応の早い事務所には「過払い金請求を専門的に扱っている」「過払い金請求の実績が豊富」「過払い金請求のデメリットやリスクの説明がある」といった特徴があります。間違いない事務所を選んで、スピーディーに過払い金を取り戻しましょう。