任意整理と過払い金の違いとは?メリットとデメリットを比較

任意整理と過払い金の違いとは?メリットとデメリットを比較過払い金の知識

借金に悩んでいる人は、任意整理して減額することが法律で認められています。一方、過払い金請求も消費者に認められている権利の一つです。

では任意整理と過払い金はどちらを選べばいいのでしょうか?

この記事では、任意整理と過払い金の違いについて紹介します。

任意整理と過払い金は同時並行で手続きする人も多くいます。
任意整理と過払い金に強い事務所に相談して、早めの解決を図るとよいのですが、どんな風に解決を進めていけばよいでしょうか。また、どんな事務所に相談するのが安心と考えられるのでしょうか。

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任意整理と過払い金請求の違い

任意整理と過払い金のどちらの手続きをしたらいいか迷っている方、何が違うのかいまいち分からない方へ、まずは任意整理と過払い金の違いについてお伝えします。任意整理と過払い金の違いは以下の表の通りです。

借金あり借金なし
過払い金あり過払い金請求または任意整理
・過払い金で借金を全額払えれば、任意整理する必要はなくブラックリストにも載らない
・払えない場合も過払い金を返済に充てれば、任意整理をより短期でスムーズに終えられる
。ただしブラックリストには載る
過払い金請求
・基本的にブラックリストには載らない
過払い金なし任意整理
・基本的にブラックリストに載る
  • 過払い金請求は、もともと借金がない人または返金されたお金で完済できれば追加で任意整理をする必要はない。ブラックリスト入りもなし
  • 任意整理は、もし過払い金が返金されるとより短期でスムーズに終わる可能性がある

次に任意整理と過払い金それぞれについて詳しく紹介していきます。

任意整理とは?

まず、借金の整理の仕方について、ご紹介します。

借金は返済が難しい場合、法律上減額することができるとされていて、手続きは主に次のようなものが使われています。

任意整理・・・金融機関との交渉により、個別の借金を減額する手続き

民事再生(個人再生)・・・借金を8割程度まで一律に減額する手続き。裁判所で行われ、借金の種類を問わず整理することになるが「住宅ローン特則」の適用を受けることにより、持ち家に住み続けることができる点が特徴。

破産・・・借金を一律に0にする手続き。裁判所で行われる。この手続きを行うと、借金からは解放されるが、財産を債権者に原則全部分配する配当手続きを行うので、持ち家等の財産を使い続けることができなくなるデメリットがある。

消費者がカードローンやキャッシングで借金問題を抱えた場合、一番多く使われる手続きは、任意整理です。

任意整理のメリットとは?

債務整理のメリットは、借金が減らせることです。中でも任意整理では、借金の額を減額した後、残りの借金を返しやすくなります。

任意整理では、利息分(将来利息)・延滞利息を減額できるのが一般的です。さらに、返済の期間を延ばして、月々の返済額を減らし、返済しやすくすることができます。これらの減額を、個々の借金について金融機関と交渉し和解契約をまとめ、契約の条件に従って返済していくのです。

任意整理のデメリットとは?

務整理のデメリットは、一定期間いわゆるブラックリストに載ってしまうため、金融機関からの新規のお借り入れや、クレジットカード取引ができなくなることです。任意整理のデメリットも同様で、和解契約に基づいて返済を続けますが、返済中と返済後約5年間は新規のお借り入れ、クレジットカード取引ができなくなります。任意整理では手続きが終了しても返済は続くので、返済が滞るとまた事故情報が登録されます。

ブラックリストは、一定期間のみ取引ができなくなるので、永久に取引ができないわけではありません。

期間が終了すると、原則としてまた金融機関との取引ができるようになります。

過払い金とは?                                                              

一方過払い金とは、支払いすぎた利息のことです。法律で定められた利息を超えた利息に相当するお金のことをいいます。

特に「グレーゾーン金利」が適用されていた借金に、過払い金が発生している可能性があります。

グレーゾーン金利とは、以下の2つの法律で定められた上限の間にあたる利息のことをいいます。この利息は、金融機関からのお借り入れにかつて適用されていたことがあります。

・利息制限法・・・利息の上限は、年15〜20%

・出資法  ・・・利息の上限は、年29.2%            

利息制限法の改正があった2010年6月18日までは、利息制限法の上限の利息と、出資法の上限の利息の間は、法律に反する利息かどうかははっきりとしていませんでしたが、現在グレーゾーン金利は違法で、適用できないこととされています。

過払い金請求は実際にどう進める?

違法な利息を適用されて払いすぎた過払い金は、返金してもらえる可能性があります。

訴訟を提起して戻してもらえる場合と、交渉により返金してもらう場合とが考えられ、一般的には訴訟を提起したほうが利息まで含めて返してもらえるので、返ってくる額が大きいとされています。一方、訴訟は時間がかかるので、早く返してもらうほうが良い場合などは交渉だけで返金してもらいます。交渉の場合は、過払い金に発生した利息までは返してもらえません。

過払い金が戻ってくると、借金はどうなる?

過払い金を返金してもらえると、過払い金で借金が返せることが考えられます。返金額が借金よりも多い場合は、借金を0にできるため、任意整理も必要ないこともありえます。そのため、借金の整理をする際には、過払い金があるかどうかを確認する必要があるのです。

ところで、借金を整理すると、信用情報機関に情報が登録され、「ブラックリスト入り」するため、しばらくクレジットカードや新規の借り入れなどの利用はできなくなります。しかし、もしも過払い金が返ってくると、過払い金の返金額>借金の場合、借金が完済できるうえ、ブラックリストに載ることも回避できるのです。

以上から、過払い金と任意整理の違いは以下のようにまとめることができます。

  • もし過払い金で完済できればさらに任意整理をする必要もブラックリスト入りもない
  • もし過払い金が返金されるとブラックリストには載るかもしれないが、任意整理をより短期でスムーズに終わらせる可能性がある

過払い金請求の時効に注意!

気を付けておきたいのは、過払い金返還請求権という返してもらえる権利は消滅時効によりなくなってしまう可能性があることです。

・借金をしていた人が過払い金を返してもらえる権利を行使できる時から10年が経過したとき(民法166条2項)

・返してもらえることを知ったときから5年が経過したとき(民法166条1項)

上記2つのいずれかに当てはまれば、消滅時効が完成しているため、過払い金を返してもらうことはできません。

ただし、5年の方は2021年4月までに返済が完了している場合には適用されないので、借金の最終返済日から10年で時効が完成するのが一般的です。

時効は正確に確認する必要がある

時効には二つの意味での注意点があります。時効前に早く請求しないといけないこと、そして、誤解してすでに時効が完成している、とは思いこまないことです。時効は、最後の返済日から数えてどれくらいの期間がたったかを確認する必要があります。借金をした日から10年ではありません。

また、いくつかの借金をしている場合は、「最終返済日は一番遅い最終返済日」とされる場合もあります。

借金をした時期を基準にして時効が完成していると思い込んでしまいがちですので、十分注意して、容易にあきらめないようにしておきましょう。

任意整理と過払い金請求の進め方

任意整理整理も過払い金請求も、実はご自身でもできる手続きです。

しかし、「過払い金の交渉が心配」、「督促されているのが嫌」などと、心配や悩みがつきものです。また、忙しくて時間が取れないという場合もあるでしょう。

こういう時は、過払い金と債務整理に強い事務所に相談して、手続きを代行してもらった方がスムーズに進められます。

過払い金請求の専門家に任せると?専門家に依頼するメリットとは?            

専門家に依頼すると、次のようなメリットがあります。

  • 過払い金の返金と、債務整理の順序を間違いなく進めてくれる
  • 調査・引き直し計算も正確に行えて、交渉も代わりに行ってもらえる
  • 和解と訴訟とどちらがよいか、的確なアドバイスをしてくれる。
  • 時効の問題にも対応してくれる
  • 事務が迅速で、時間の節約ができる

特に、返金があれば借金の整理の手続きが不要になる場合のことを考えて、額を専門家に依頼して計算してもらい、過払い金は確実に返してもらうのが賢明です。

また、過払い金が時効にかかる直前の場合などは適切に対応できないと取り返しがつかないため、専門家が正確に判断し、見通しを立てた方が結果もよいと考えられます。

任意整理や過払い金は誰に相談すればいい?            

過払い金や、債務整理について相談したい場合、認定司法書士や弁護士はこれらの問題の法律相談業務をとりあつかうことができます。

しかし、司法書士・弁護士がすべて過払い金・債務整理の専門家ではありません。過払い金専門の信頼できる事務所に相談し、解決する必要があります。

事務所を選ぶポイントとは?                              

過払い金専門の信頼できる事務所には、次のような特徴があります。

  • 多数の実績がある
  • 過払い金だけでなく、債務整理にも実績がある
  • 連絡するとなんでも話せて、納得するまで説明してくれる

過払い金専門の事務所では、無料相談・着手金0でも始めてくれる事務所もあります。

信頼できない事務所とは?

これに対して、着手金を取っておいて、ちゃんと報告してくれない・懲戒請求されている・応対の態度が良くないなどの信用できない事務所が残念ながらあります。

司法書士や、弁護士は信頼できなければ途中で変えてよいものですので、信頼できる事務所に依頼しましょう。

まとめ:任意整理は過払い金が戻ってくるとよりスムーズに解決できることも。両方を相談して一気に解決しよう。

任意整理は、過払い金を返してもらえば、スムーズにお悩みが解決できることもあります。信頼できる司法書士事務所・弁護士事務所を探して、一気に解決しましょう。また、納得ができない事務所と思ったら、交代もできますので、ご自身とのフィット感の高い事務所で、実績がある事務所を探してみてください。


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