「過払い金請求の無料相談は何を相談できるの?」
「過払い金の相談は無料と宣伝する事務所の広告を見たけど、利用しても大丈夫なの?」
司法書士や弁護士事務所によっては過払い金の無料相談を受付しています。はじめて利用する方だとどのような内容を相談できるのか、わかりにくい場合があるでしょう。
そこで今回は過払い金請求の無料相談について解説していきます。過払い金請求ができる条件やリスクを知りたいという方もご参考になさってください。
【今回の記事でわかること】
- 事務所の過払い金請求の無料相談なら大丈夫
- ただし、無料相談が大丈夫じゃなかった人の体験談あり
- 過払い金請求の権利は認められているので大丈夫
- ただし、過払い金請求が大丈夫じゃなかった人の体験談あり
- 過払い金請求する前に確認したい条件とリスク
過払い金請求の無料相談は利用して大丈夫?
司法書士や弁護士事務所の過払い金無料相談は、資格を持った専門家が担当しています。債務整理(過払い金請求・任意整理・個人再生・自己破産など)の専門家が担当しているため、過払い金請求の無料相談を利用しても大丈夫です。
事務所によっては電話・メールでも無料相談を受付しています。「事務所で直接相談するのでは抵抗がある」という方でも電話・メールなら相談しやすいでしょう。
メールは24時間受付が一般的ですので、事務所や電話相談のように営業時間を気にする必要はありません。ただし、メール相談だと返信が来るまで時間がかかる場合があります。
過払い金請求の無料相談は何をする?
事務所での過払い金請求無料相談では、以下の内容を相談できるのが一般的です。
【主な相談内容】
- 過払い金が発生しているのか
- 過払い金がいくら戻るのか、どのくらい借金が減るのか
- 過払い金が戻るまでどのくらいの期間がかかるのか
- 過払い金請求はどのように手続きするのか
- 過払い金請求の費用はどのくらいかかるのか
- 過払い金請求にはどのようなリスクがあるのか
- 家族に内緒で手続きできるのかなど
過払い金について疑問点・不安点などを解消してもらえるのが、事務所での過払い金請求無料相談です。
事務所によって異なりますが、相談時間として30~60分ほどかかります。返済中または完済した業者の名称、どのくらい借りたのか、いつ借りたのかなどの内容をメモしておくと事務所での相談がスムーズです。
中央事務所は、過払い金など借金問題に特化した最大手の司法書士事務所です。
<特徴>
・テレビやラジオでのCMや口コミをきっかけに多くの人に利用されている。実績が多く過払い金のさまざまなケースに対応してきたノウハウがあり、家族にバレないプライバシー対策も厳重。
・相談料・着手金が無料なので、過払い金が返ってこない限りは費用が掛からない仕組み。
中央事務所は、損をしたくない方やスムーズに過払い金を終えたい方におすすめ。
中央事務所の無料診断は、診断した後に過払い金が発生していたらそのまま無料相談を予約することも可能です。
全国各地で出張面談が実施されているので、ご自宅の近くで過払い金や借金問題に対する不安を相談することができます。中央事務所 ホームページ
過払い金請求の無料相談で大丈夫じゃなかった人の体験談
以下のように、知恵袋には過払い金請求の無料相談を利用したところ、大丈夫じゃなかったという体験談が見られます。
【3か月過ぎても何も連絡がない】
以下は弁護士事務所の無料相談を利用した人の体験談です。
過払い金の無料相談である弁護士法律事務所を尋ねたところ、290万円程の過払い金がある事が分かり早速、その弁護士事務所に依頼して和解で良いのでお願いしたのですが、
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14153939579
最初の約束では依頼してから1ヶ月で相手業者との話合いが出来たという連絡を入れるといっていたのですが、もう3ヶ月過ぎても何の連絡も来ません。
このまま放っておいても大丈夫なのかどうか心配です。
相手業者との和解から過払い金が入金されるまでの期間は2~4か月ほどが目安です。事務所によってはすべての相手業者から返金され次第、10日ほどで依頼主の口座へ入金しています。
なかなか入金されないときは、過払い金請求を依頼した事務所へ直接問い合わせするとよいでしょう。
【無料診断後の電話がしつこい】
以下は弁護士事務所の過払い金無料診断を利用した人の体験談です。
過払い金請求に際しての相談
現在返済中の借金があり(既に完済もあり)
ふとネット広告のよくある、匿名で電話番号だけ
入力すれば簡単に診断出来るサイトにアクセスしました。最終的にはある一件の弁護士事務所が表示されてぜひご相談下さいとの旨が書いてありました。
近い内にどこかへ相談しようかなとは思っておりましたが、その表示された弁護士事務所から3日に一回くらいのペースで電話が来るようになりました。最初の1、2回は気にしてなかったのですが最近しつこいなと思うようになり。。。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10158353345
事務所によっては無料診断を利用した後の電話がしつこい場合があります。
しかし、「しつこい電話がかかってくる=過払い金を取り戻せる可能性が高い」とも考えられます。本気で過払い金を取り戻したいときは、事務所からの電話に対応したほうがよいでしょう。
そもそも過払い金請求はしても大丈夫なのか?
利息制限法の上限を超える利息を支払いしたときに発生するのが過払い金です。
【利息制限法の上限金利】
借入額 | 上限金利 |
10万円未満 | 年20% |
10万円以上~100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
取引していた貸金業者に対し、払いすぎた利息を返金してほしいと請求します。過払い金が発生している方には請求できる権利(過払金返還請求権)がありますので、貸金業者に請求しても大丈夫です。
以下の民法第703条「不当利得の返還義務」により、過払い金請求を受けた貸金業者には返還する義務があります。
民法第703条「不当利得の返還義務」
法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
過払い金請求はどんな手続き?
過払い金請求の手続きは以下の書類で行えます。
【過払い金請求の主な書類】
- 取引履歴の開示請求書
- 過払い金返還請求書
- 計算書
- 和解書
取引履歴の開示請求書は、金銭消費貸借契約に基づいた取引(最初から最後まで)を開示してもらうときに必要となる書類です。運転免許証・健康保険証など本人確認書類のコピー1点を同封して請求します。
過払い金返還請求書は取引履歴を引き直し計算した結果、判明した過払い金を請求するときに必要となる書類です。過払い利息5%込みで請求できます。
利息制限法に基づく法定金利で引き直し計算した結果を記載するのが過払い金の計算書です。名古屋消費者信用問題研究会の公式HP(http://www.kabarai.net/)より利息計算書ソフトをダウンロードできます。
和解書は貸金業者との和解が成立したときに作成する書類です。貸金業者によっては交渉時に過払い金5~7割ほどを提示する場合があります。
過払い金5~7割ほどでは納得できない場合は、過払い金返還請求訴訟が可能です。過払い金返還請求訴訟により、10割+過払い利息5%込みの返還が期待できます。過払い金返還請求訴訟を行う場合は訴状の書類も必要です。
過払い金請求をして大丈夫じゃなかった人の体験談
過払い金請求はどなたでも成功するわけではありません。次からは過払い金請求をして大丈夫じゃなかった人の体験談をご紹介します。
【10年くらい前のキャッシング枠は時効?】
以下は10年くらい前にキャッシング枠を利用していた人の体験談です。
20年近く前に、某クレジットカード会社でキャッシング枠、ショッピング枠それぞれ50万円ほどのカードを作り、それ以降キャッシング枠は満額近くまで借りていました。
約10年くらい使い続けた頃、キャッシングの残債のみを全額一括返済しキャッシング枠を無くしてもらいました。それが10年近く前になります。その後ショッピング枠のみを利用していたのですが、それも全額返済し同時にカード自体を解約しました。
それが一年ほど前の話です。この場合、もし今からキャッシング枠の過払い金返還請求をする場合、時効はキャッシング枠を無くしてもらった10年くらい前になるのかカード自体を解約した一年前になるのかどちらになるのでしょうか?
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12245703822
過払い金の時効は最終取引日より10年です。(権利の行使を知ってからは5年)クレジットカードの場合、キャッシング枠での最終取引日より時効期間のカウントがスタートします。
ショッピング枠の支払いが続いていたとしても、過払い金の時効とは無関係です。体験談の人はキャッシング枠の残債務を全額返済してから10年ほど経っているため、過払い金の時効が成立している可能性があります。すでに時効が成立している場合、過払い金請求に失敗する可能性大です。
【相手と分断で争っています】
以下は一連の取引を主張したいが、相手側は分断だと言ってくるという人の体験談です。
過払い 本人訴訟係争中です。
取引に数か月の空白期間があるのですが相手が分断だと争っています。
現在準備書面作成中ですが詳しい方にアドバイスいただけたら幸いです。。最判H20年1月18日に当てはめて準備書面作成中ですが、分断前と後で契約内容に変更があります。
https://okwave.jp/qa/q8432363.html
利息 29.2%→25%
極度額 30万→50万
返済日 毎月5日→毎月10日
損害金率は変わらず
取引を繰り返している人が過払い金請求すると、貸金業者が取引の分断を主張してくる場合があります。たとえば以下の取引を行っていたと仮定しましょう。
【取引の一例】
取引状況 | 一連と判断した場合 | 分断と判断した場合 |
1回目:15年前に完済 | 時効不成立 | 時効成立 |
2回目:1回目の完済から半年後に借り入れし、4年前に完済 | 時効不成立 | 時効不成立 |
取引が一連であれば1回目も2回目も過払い金を取り戻せる可能性があります。しかし、取引が分断とした場合、2回目の取引は過払い金の返金に応じるが、1回目の取引についてはすでに時効が成立しているため返金しないと主張される可能性があるのです。
一連なのか、分断なのか、その判断は取引状況によって異なります。同じ契約内容であれば一連した取引と認められやすいですが、契約内容に変更がある場合は分断した取引と判断されやすいです。
貸金業者による分断の主張に納得できないときは専門家への相談をおすすめします。
過払い金請求をする前に確認すべきこと
過払い金請求をする前に確認したいのが、以下の条件とリスクです。
【条件とリスク】
条件 | リスク |
2007年までの借り入れ | ブラックリストへの掲載 |
貸金業者が倒産していない | 請求したクレジットカードは解約 |
貸金業者からの借り入れ | 返金に応じない |
それぞれの条件とリスクについて詳しくは以下をご覧ください。
過払い金請求ができる条件
過払い金請求ができるのは以下の条件に当てはまる人です。
条件①2007年までの借り入れ
過払い金請求は2007年までの借り入れが対象です。
2007年以前、多くの貸金業者で行われていたのがグレーゾーン金利による貸付けです。利息制限法の上限金利は年15%~20%のところ、改正前出資法の上限金利は29.2%でした。利息制限法の上限は超えているものの、改正前出資法の上限以内であるのがグレーゾーン金利です。しかし、グレーゾーン金利は2010年に改正された貸金業法により撤廃となりました。
2006年12月に改正貸金業法が国会で成立し、2007年頃にはほとんどの貸金業者で利息制限法以内の金利に引き下げています。
条件②貸金業者が倒産していない
取引していた貸金業者が倒産してしまうと、過払い金請求するのが難しくなります。
倒産手続きの一種となるのが会社更生手続きです。会社更生手続きが開始された貸金業者から過払い金を取り戻すには、裁判所へ期限内に債権届出書を提出しないといけません。しかし、届出期限が過ぎてしまったときの過払い金請求はできないのが原則です。
条件③貸金業者からの借り入れ
過払い金請求の対象となるのは、貸金業者(消費者金融・信販・クレジットカード会社など)からの借り入れです。貸金業者のカードローン、クレジットカードのキャッシングより利息制限法を超える金利で借りていた方は過払い金が発生している可能性があります。
しかし、クレジットカードのショッピング、銀行カードローンは過払い金の対象外です。分割払い・リボ払いなどのショッピング手数料は利息ではないため、過払い金の発生はないとされています。銀行カードローンは貸金業法が改正される以前から、利息制限法以内の金利で貸付けしており、過払い金は発生していない可能性大です。
過払い金請求のリスク
過払い金請求には以下のような3つのリスクがあります。
リスク①ブラックリストへの掲載
返済中の過払い金請求により債務が残った場合は、ブラックリストに掲載されるといったリスクが生じます。それは債務整理の手続きの一つである任意整理を行ったと判断されるからです。
ブラックリストは信用情報に登録される事故情報のことを言います。カードローンやクレジットカードなどの審査に重大な悪影響を及ぼすのがブラックリストです。
返済中でも過払い金で完済できた場合、すでに完済済みの場合は過払い金請求してもブラックリストに掲載されません。
リスク②請求したクレジットカードは解約
過払い金請求したクレジットカードは解約となる可能性大です。親カードの解約により追加した家族カードもETCカードも利用できなくなります。
完済済みでの過払い金請求であれば、他社カードのショッピング枠もキャッシング枠も問題なく利用できるでしょう。(他社カードは過払い金請求しなかった場合)
リスク③返金に応じない
対応の厳しい貸金業者だと交渉しても過払い金の返金に応じない場合があります。
貸金業者が返金に応じないときは、訴訟を提起するといった対策が有効です。しかし、一般の人が貸金業者相手に訴訟するのは難しいでしょうから専門家への依頼をおすすめします。
過払い金請求の流れ
専門家へ依頼したときの過払い金請求の流れは以下の通りです。
【専門家への相談から返金までの流れ】
- 専門家へ相談・依頼
- 貸金業者へ受任通知を発送(取引履歴も開示請求)
- 引き直し計算
- 貸金業者へ過払い金返還請求書を発送
- 貸金業者と交渉
- 和解成立
- 過払い金の返金
訴訟なしでの和解は3~6か月、訴訟は6か月~1年以上の期間が目安です。専門家と相談しながら和解するか、訴訟提起するか決めるとよいでしょう。
過払い金請求でおすすめの事務所とは
過払い金請求ができる弁護士・司法書士事務所はたくさんあり、どれも同じように見えますよね。
しかし、安易に事務所を選んでしまうと、途中で信用できなくなったり損する結果になったりして、嫌な思いをする可能性もあります。
そこで、損するリスクを回避して、スムーズに過払い金請求をするための事務所選びのコツを2つご紹介します。
過払い金に特化した事務所を選ぶ
過払い金請求や借金問題を専門的に扱う事務所は、回収金額や解決案件数の実績が豊富です。
蓄積されたノウハウがあるので、戻ってくる過払い金の金額が多い傾向にあり、さまざまなニーズに柔軟に対応してくれます。プライバシー配慮なども厳重に行ってくれます。
経験豊富だと「相談しやすい」と感じるかたも多いでしょう。
初期費用なしの事務所を選ぶ
もし請求したのに過払い金が返ってこなければ、手持ちから相談料と着手金を払う必要が出てきます。
そうならないため、初期費用(相談料と着手金)が無料の事務所を選びましょう。過払い金が返ってこない限り、費用は発生しません。
無料相談はちゃんとしていないんじゃないか?と心配になる方もいるかもしれません。しかし無料相談とはいえ、実際に利用した人の声をきいてみると有料の相談と比べて遜色ありません。
おすすめの事務所4つ
過払い金請求の実績が豊富で、初期費用が無料の事務所のなかで、おすすめの事務所を4つ紹介します。
実績 | 専門性 | 初期費用 | |
中央事務所 詳細ページへ | ◎ 相談実績 月3万件 | ◎ 専門性高め | ◎ 無料 |
東京ロータス法律事務所 ロータス詳細ページへ | 〇 受任件数 7,000以上 | ◎ 専門性高め | ◎ 無料 |
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記事まとめ
今回は専門家による過払い金請求の無料相談について解説してきました。過払い金が発生しているのか、いくら戻るのか、いくら借金が減るのかなど、資格を持った専門家に調べてもらえますので無料相談を利用しても大丈夫です。
事務所によっては引き直し計算まで無料でサービスしてもらえます。無料相談後は過払い金請求の手続きを依頼するか、相談まででストップするか、自身で決められます。事務所へ行く時間がない方は、電話またはメールで相談するとよいでしょう。