過払い金の広告は、現在はかつてほどではありませんが、テレビやラジオのコマーシャル、YoutubeなどのWeb広告、あるいは電車の中吊り広告など、目にする機会が多いですよね。
なぜ過払い金の広告は多いのでしょう。また過払い金の広告にはどのような意味があるのでしょうか。事務所の選び方と合わせて少し考えてみましょう。
過払い金の広告はなぜ多い?発生の仕組み
過払い金の広告も多いですが、かつては過払い金の返還請求の件数が非常に多いものでした。平成18年(2006年)に過払い金を返金してもらえることが最高裁で判断されて以降、払いすぎた利息を取り戻す需要も多かったのです。
過払い金は、基本的には貸金業者などによる違法な利息の取りすぎによって生じます。かつて多くの貸金業者等が利息制限法の上限金利と出資法の上限金利の間の金利=グレーゾーン金利を借金の利息として適用していましたが、これは2010年6月の利息制限法改正以来違法な利息であることとされているのです。
違法な利息を払いすぎていた消費者にとっては大問題です。そこで、弁護士事務所や司法書士事務所は、消費者に返してもらえる権利があることを知らせる意味でも多くの広告を出すこととなりました。「以前に借金をしていたが、コマーシャルをきっかけに、事務所に電話で連絡し、過払い金が返金された」という例も実際に数多くあり、コマーシャルも役に立っていたわけです。
「過払い金が100万円返ってくる」は本当?
「たくさんの借金はしていないから、過払い金が100万円なんてあるはずない」と思う人も多いのではないでしょうか?お金を借り過ぎて、その “元本” から発生していると思っている人も少なくありません。
しかし、過払い金は払い過ぎた利息が戻ってくるというものです。キャッシングの返済には利息が発生します。2010年以前の債務者は10%近く余計にお金を払っていた場合があるのです。
一度にたくさん借りていなくても、長期にわたって借り続けていた人は過払い金が発生している可能性があります。
過払い金のため貸金業者も倒産に?
貸金業協会の統計では、2006年以降、過払い金は年々数千億円の返還額となり、多くの消費者が高い金利のために泣かされていた実態がわかります。2009年のピーク時には約6500億円もの返還が行われていたことがわかっています。大手の消費者金融ではピーク時に6000件前後の過払い金請求を受けており、今でも年に1000件以上の過払い金請求を受けている業者があります。
中には、武富士のように、過払い金で財務内容が悪化し、倒産に追い込まれた、といわれる業者までありました。
過払い金請求ができなくなるパターン
過払い金は、2010年以前にグレーゾーン金利が適用された借金に発生しています。そのため、もう新たに発生することはありません。2015年前後を境にCMの数も減っていきました。
しかし、消滅時効がまだ来ていない場合は、過払い金を取り戻せます。
消滅時効により、過払い金の返還請求ができなくなってしまう、次のような場合です。
- 借金をしていた人が過払い金を返してもらえる権利を行使できる時(通常は最終返済日)から10年が経過したとき(民法166条2項)
- 返してもらえることを知ったときから5年が経過したとき(民法166条1項)
ただし、2020年4月1日よりも前に完済した借金については、10年の消滅時効が適用されます。グレーゾーン金利の適用があり、なおかつ上記の年数を経過していない場合に、過払い金を返してもらえます。
「もう時効」と誤解している人も
注意しておきたいのは、時効がカウントされるのは、最終の返済日からである、ということです。例えばグレーゾーン金利を2010年6月以前に適用されていても、2017年まで返済していた人は、まだ時効が来ていない、というわけです。また、複数の借金を同じ会社からしていた人の中には、1枚のカードで借金を何度か借りていても1つの契約で借りた、とされ、直近の最終返済日が最後の返済日とされた、という人もいます。
このように、時効をよく確認してみると、まだ取り戻せる人がいるのです。
また、過払い金の額は、放っておくと利息で大きな額になります。借金問題で悩んでいる人には過払い金を返済にうまく使えば問題が解決できるかもしれません。
現在の過払い金の広告の意味
テレビ・ラジオでよく流れる、過払金返還請求のCMは、いつまで続くんでしょうか。
引用元:知恵袋
コマーシャルに関してこんな質問がありますが、時効を迎えたと誤解されていたり、借金問題で悩んでいる人のことを考えると、過払い金の広告にもまだ意味はあるといえます。
過払い金の時効が来ているのか正確に判断すること、過去の記録をさかのぼって過払い金を正確に計算すること、過払い金と借金の問題を一度に解決することなど、なかなか一人では難しいと感じられることも、過払い金に強い弁護士・司法書士なら安心して任せられます。
過払い金のCMはなぜ「うざい」「怪しい」と思われる?
ところが、過払い金の広告は、「うざい」「怪しい」など、あまり評判がいいとは言えないようです。中にはこんな風に言われてしまうこともあります。
ラジオで流れる過払い金返還請求のcmはかなりムカつきますよね?
引用元:知恵袋
今は少し減っている印象ですが、かつてはコマーシャルの回数が非常に多かった東京ミネルヴァ法律事務所のように倒産して依頼者を困らせてしまった、といった、社会問題化した事務所もあるのは事実です。
「広告費を使いすぎてしまったのではないか?そんなことで依頼者を困らせたりしないでほしい」という声が出てもおかしくはありません。
ただ、広告が「うざい」「怪しい」といわれてしまった事務所の中にも、非常に多くの実績があり、過払い金・借金の整理には強い弁護士・司法書士事務所もあります。借金問題を過払い金で解決したい方、時効を正確に知りたい方などは、コマーシャルで知った事務所に返金をサポートしてもらえる余地はあります。広告やコマーシャルから即怪しい、と判断してしまうのは早計かもしれません。
営業・勧誘を向こうからしてくる場合「怪しい」
弁護士や、司法書士には広告のルールがあります。一般に誇大広告・誤解を招くような広告は問題があるのは当然です。原則自由とされている法律専門家の場合、通常よりも広告の水準は高めで、「品位を欠く」とされるような広告は弁護士会・司法書士会のルールで出すことができないのです。
広告の内容そのものは、このように弁護士会・司法書士会からも問題になり、重い処分も考えられるので、大きな問題になるような例は少ないようです。そのため、事務所を選ぶ情報として使っても広告には害はないでしょう。
しかし「弁護士事務所から連絡をしてきた」「向こうから営業された」という例があるのならば、弁護士の場合でも、司法書士の場合でもルール違反となります。消費生活センターなどにも苦情が出ており、弁護士会・司法書士会でも注意喚起をしています。
資格のある弁護士・司法書士は、相談者・依頼者のほうから最初は連絡することがルールとされており、しつこい勧誘は司法書士・弁護士をかたる無資格者である疑いも高いといえるでしょう。
過払い金請求の事務所の選び方
広告を見るポイントとして、どんなところを見て事務所を選んだらよいのでしょうか。過払い金を返してもらいたい時にはどういう事務所を選んだらよいか、事務所選びのヒントとして広告やWebサイトを使うなら、こんなところを見てみましょう。
- 過払い金の返金実績
- 借金の整理の取り扱いができる
- 無料相談・無料診断などがあり、相談しやすい仕組みがある
こうした事務所には、連絡してみてよいでしょう。
弁護士や司法書士は専門分野によっては過払い金に強いとはいえない事務所もあるので、実績の点は特に大事です。実績はWebサイトのほうが詳しく見られますので、広告で知った事務所のWebサイトをよく見てみる、というのもいいでしょう。
過払い金請求でおすすめの事務所
事務所の選び方の観点に基づいて、おすすめの事務所を3つ紹介します。
無料相談ができるので、少しでも疑問・不安がある方は相談してみることをおすすめします。
中央事務所
中央事務所は東京・大阪・名古屋・福岡の4つの拠点のある司法書士事務所です。創立が2017年と比較的新しい事務所ですが、大変成長が早く100名以上の司法書士が在籍しています。
過払い金請求や債務整理といった借金問題に特化しており、毎月3,000件以上の相談を受けるなど借金でお悩みの人達の信頼も厚いです。
相談は年中無休で対応。電話なら7時~24時、メールなら24時間相談でき、「遠方に住んでいて、事務所まで行けない」という人のためには出張面談も行っています。
また過払い金請求は相談料・着手金無料で依頼できます。依頼前に払う費用がないので「依頼したくてもまとまったお金が用意できない」といった人でも気軽に依頼しやすいです。
過払い金請求をどこの事務所に依頼するか迷ったら、まずは中央事務所に相談してみましょう。
事務所名 | 司法書士法人 中央事務所 |
債務に関する取扱い業務 | 過払い金請求・任意整理・個人再生・自己破産など |
特徴 | ・完全成功報酬制 ・過払い金の実績トップクラス |
料金 | 相談料・着手金:0円 (詳しくは要問合せ) |
代表者 | 田中秀平 |
対応エリア | 全国 |
所在地 | 東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル16階(東京本店) |
電話番号 | 0120-10-10-10 |
電話受付時間 | 7:00~24:00 年中無休 |
公式URL | https://10-10-10.jp/ |
東京ロータス法律事務所
東京ロータス法律事務所は、旧岡田法律事務所が2017年に法人化した弁護士事務所です。借金問題の実績が大変豊富で、受任件数はすでに7,000件を超えています。
設立当初は岡田優仕弁護士が代表でしたが、現在の代表は永安優人弁護士です。
東京ロータス法律事務所は相談無料、土日祝も10時~19時で営業しています。弁護士事務所は平日のみ営業しているところが多いので、平日働いている人は相談しにくいです。
東京ロータス法律事務所はどんな人でも、相談しやすい事務所といえるでしょう。
また東京ロータス法律事務所は全国対応の事務所なので、全国どこにお住いの方の相談・依頼にも対応しています。
「遠くて事務所に行けない」という方も、まずは電話かメールで問い合わせてみてください。
事務所名 | 弁護士法人 東京ロータス法律事務所(旧岡田法律事務所) |
設立 | 2017年2月6日 |
代表弁護士 | 永安優人(所属弁護士会 東京弁護士会) |
所在地 | 東京都台東区東上野1丁目13番2号廣丸ビル1-2階 |
アクセス | JR山手線 御徒町駅より徒歩3分 東京メトロ日比谷線 御徒町駅より徒歩3分 都営地下鉄大江戸線 上野御徒町駅より徒歩5分 都営地下鉄 新御徒町駅より徒歩6分 首都圏新都市鉄道 新御徒町駅より徒歩6分 JR山手線 上野駅より徒歩10分 東京メトロ 上野駅より徒歩10分 |
対応エリア | 全国 |
電話番号 | 0120-698-011 |
メール相談フォーム | http://tokyo-lawtas.com//contact |
受付時間 | 平日10時~20時 土日祝10時~19時 |
公式ホームページ | http://tokyo-lawtas.com/ |
取扱い業務 | 【個人】 債務整理、交通事故、労働問題、債権回収、離婚相談、相続問題、不動産トラブル 【法人】 契約法務、法人倒産、建物明け渡し、債権回収 |
アース法律事務所
アース法律事務所は、東京都新橋にある弁護士事務所です。事務所は東京のみですが、全国どこにお住いの方の相談・依頼にも対応しています。
代表の河東弁護士は、裁判官の経歴と30年以上の弁護士歴のある非常に経験豊かなベテラン弁護士です。
多彩な経験を活かして任意整理などの債務整理の他、詐欺被害や相続、労働問題など多くの分野を取り扱っています。
アース法律事務所は初回無料で相談でき、電話なら平日の10時~19時、メールなら24時間いつでも受け付けています。
また債務整理を弁護士に依頼するなら、原則面談が必要です。アース法律事務所の営業時間は平日9時~19時ですが、事前予約をしておけば土日祝など時間外でも対応してくれます。
また事務所から遠方にお住いの場合は出張やオンラインなど、面談できる手段を用意しています。
事務所名 | アース法律事務所 |
代表弁護士 | 河東宗文(所属弁護士会 東京弁護士会) |
所在地 | 東京都港区新橋2-12-5 池伝ビル5階 |
アクセス | 都営三田線 内幸町駅より徒歩約2分 JR東海道本線・山手線・京浜東北線・横須賀線 新橋駅より徒歩約3分 東京メトロ銀座線 新橋駅より徒歩約3分 都営浅草線 新橋駅より徒歩約3分 ゆりかもめ 新橋駅より徒歩約3分 |
対応エリア | 全国 |
電話番号 | 代表:03-6383-2430 フリーダイヤル: 0120-72-3565、050-5489-9973 |
FAX | 03-6383-2431 |
相談メールフォーム | https://earth-lawoffice.net/contact/ |
公式ホームページ | https://earth-lawoffice.net/ |
受付時間 | 平日9時~19時 ※電話相談受付は10時~19時 ※事前予約があれば、時間外でも対応可能 |
取扱い業務 | 債務整理、詐欺被害、債権回収、不動産問題、労働問題、 相続・遺言・遺産分割協議、家事(離婚等)、 交通事故、一般企業法務、消費者被害など民事 |
弁護士・司法書士はスイッチができる
弁護士・司法書士は、依頼人との信頼関係がないと仕事ができないものです。依頼人の方も信頼できない、と思えばその後仕事を任せたいとは思わないのも自然なことです。そこで法律上も、弁護士・司法書士は、案件が終わるまではいつでも解任してよいこととなっています。
・電話をかけてみたら、感じが悪い
・会って話したいのに、応じてくれない
・事務所に行ったら、応対が悪い
・話がしづらい
そんな時は、遠慮なくスイッチしてよいのです。いったん依頼したとしても、解任して構いません。
過払い金の時効が来ているのか、正確に判断すること、過去の記録をさかのぼって過払い金を正確に計算すること、借金を一緒に解決することなど、なかなか一人では難しいと感じられることも任せられる弁護士や司法書士に出会えるよう、早めに次の事務所を探してみましょう。
記事まとめ
過払い金の広告には、消費者に権利を知らせる意味や、事務所の情報を消費者に知らせることができるといった意味があります。違法なグレーゾーン金利を払いすぎてしまった場合は、過払い金を返してもらうことが消滅時効が来ていなければ可能なので、広告を参考に事務所を探してみましょう?広告のほかに、返金の実績をWebサイトでも見てみるなどして「ここはいいかも」と思った事務所があれば無料相談・無料診断を利用することをおすすめします。
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