過払い金バブルと言われた頃は、テレビやラジオで、今よりももっと多くの過払い金のCMが流れていましたが、最近では少しCMの数が減ってきたような気がします。
CMでも「過払い金には時効がある」ともよく聞きますが、過払い金請求はいつまで続くのかと疑問に思うかもしれません。
「自分にも過払い金があるかも」と思っている人なら、自分の過払い金が発生しているかどうか確かめたいですよね。
この記事では、過払い金請求はいつまで続くのかや、自分の過払い金請求期限がいつまでかなどについて解説します。
過払い金請求はいつまで続く?終わるのはいつ?
結論から言うと、過払い金請求はまだ続くので、しばらく終わることはないでしょう。
たしかに、過払い金には時効があり、最後の返済から10年経つと時効で請求できなくなってしまいます。
しかし、過払い金の時効はあくまで最後の返済から10年なので、現在もまだ返済し続けている場合には、時効にはなっていません。
そのため、ピークだった時よりも、過払い金請求の件数は減少してきてはいますが、過払い金を請求できる場合というのもまだまだ残っています。
ピークの時よりは過払い金のCMの数も減ってきてはいるので、自分の過払い金ももう請求できないかもと不安になるかもしれません。 ですが、まだ過払い金を請求できることもあるので、「自分にも過払い金があるかも」と思ったら、諦めずに自分に過払い金があるかを確認してみましょう。
新しい過払い金事務所も設立されている
日本全国で、今もまだ新しい過払い金事務所が設立されています。
ただし、過払い金の請求だけを取り扱っている事務所が新しく設立されているわけではなく、他の債務整理(任意整理、自己破産、個人再生)も一緒に取り扱っている事務所が多いです。
また、過払い金事務所は弁護士事務所や司法書士事務所なので、弁護士事務所であれば離婚や相続、交通事故など一般的な民事事件全般を扱ったり、司法書士事務所であれば登記を扱ったりしています。
新しい過払い金事務所の設立ピーク
現在もまだ新しい過払い金事務所が設立されていますが、新しい過払い金事務所の設立のピークは2007年頃でした。
2006年1月13日、最高裁は過払い金の請求を全面的に認めるような判決を出しました。
これまでグレーゾーン金利の返済は、一定の要件を満たせば有効な金利の返済(みなし弁済)だとされていましたが、この判決によって「みなし弁済」が成立することは皆無になったのです。
この判決を機に、日本全国の弁護士事務所や司法書士事務所が、過払い金を回収するビジネスに参入し、新しい過払い金事務所も数多く設立されました。
過払い金バブルはいつまで?ピークはいつ?
2006年1月13日の最高裁判決以降、日本全国で過払い金の請求が相次ぎました。
特に2008年~2009年にかけて、過払い金請求の金額は特に多く、ピークだとも言えます
この2008年以降、特に2010年前後の期間は、新しい過払い金事務所がどんどん設立され、既存の弁護士事務所や司法書士事務所も過払い金請求に注力したため、過払い金バブルとも言われています。
過払い金バブルの頃には、過払い金事務所が積極的にテレビやラジオで過払い金請求のCMを流していました。
莫大な広告費をかけるほど、過払い金の回収ビジネスで儲かっていたのです。
過払い金請求が終わったら事務所はどうなる?
結論から言うと、たとえ過払い金請求が終わっても、すぐに過払い金事務所が潰れるということはないでしょう。
なぜなら、過払い金事務所は、過払い金だけでなく、他の債務整理(任意整理、自己破産、個人再生)も取り扱っているからです。
過払い金請求が終わってしまったとしても、過払い金事務所は、注力分野を過払い金から他の債務整理にシフトすれば良いだけの話です。
もちろん、過払い金バブルの時代に設立された事務所の中には、上手く過払い金請求から他の債務整理にシフトできず、潰れてしまった事務所もあります。
しかし、多くの事務所は、他の債務整理にも注力することで、経営を成り立たせています。
現に、最近では、過払い金バブルの時代よりも過払い金請求の件数は減っていますが、過払い金事務所は、過払い金だけでなく他の債務整理も取り扱うことで上手く経営しています。
過払い金請求のCMはいつまで続く?
かつては、毎日のように、テレビやラジオで過払い金請求のCMが流れていました。
しかし、最近ではテレビやラジオで過払い金請求のCMを見る機会が減っているような気もします。
最近では、テレビやラジオではなく、インターネット上で過払い金請求の広告を見かけることが増えてきました。
「借金減額シミュレーター」や「借金減額診断」などをインターネットで見かけることも多いのではないでしょうか。
これらは、簡易的に過払い金があるかどうかを診断してくれる無料のツールで、過払い金事務所が運営していて、過払い金事務所の広告にもなっています。
これからは過払い金請求のテレビやラジオでのCM自体は減っていきますが、インターネットの広告は変わらず見かけることになるでしょう。
過払い金請求の時効はいつまで?
過払い金の時効は完済から10年
過払い金は、最後の取引から10年経過したら、時効にかかります。
一般的には、最後の取引というのは、最後に返済したとき、つまり完済したときになります。
完済してから10年が経ってしまっていると、時効にかかっていて、過払い金を請求できない可能性が高いです。
完済してから時間が経ってしまっていつ完済したか忘れてしまった場合には、完済した時期を調べることができます。
自分で貸金業者から取引履歴を取り寄せて調べるか、司法書士や弁護士に依頼して調べてもらいましょう。
返済中なら時効にかかっていない
過払い金は最後の取引から10年が経過すると時効にかかってしまいますが、現在も返済中であれば、時効にかかっていない可能性が高いです。
正確に言うと、一度完済してから、空白期間を置いてまた借り始め、現在も返済中の場合には、空白期間の長さによって過払い金を請求できるかどうか変わってきます。
現在も返済中の場合には、過払い金が請求できそうかどうか、一度、司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。
過払い金のグレーゾーン金利はいつまで?いつ改正された?
グレーゾーン金利とは?
グレーゾーン金利は、簡単に言うと、利息制限法での金利と旧出資法での金利の間の金利のことです。
旧出資法では、金利が29.2%を超えたときだけ、刑事罰が科されていました。
他方で、利息制限法には罰則がないので、利息制限法の上限金利(15~20%)を超えても、29.2%以下であれば、刑事罰は科されません。
そのため、貸金業者の多くは、利息制限法の上限金利(15~20%)と旧出資法の上限金利(29.2%)の間、つまり、29.2%か限りなくそれに近い金利で、お金を貸していました。
この29.2%か限りなくそれに近い金利のことを、グレーゾーン金利といいます。
業者がグレーゾーン金利で貸した金利は、利息制限法の上限金利を超えており、無効のはずですが、旧出資法の上限金利は超えていなかったため、かつては許されていたのです。
グレーゾーン金利はいつまで存在した?
2010年6月18日に、改正出資法が施行され、最高上限利率が20%にまで引き下げられました。
これにより、グレーゾーン金利は撤廃され、グレーゾーン金利は存在しなくなりました。
自分の過払い金が発生しているか確かめる方法
「自分にも過払い金があるかも」と思っている人が、過払い金が発生しているかどうか確かめる方法について解説します。
最初の借入れ日を確認
ほとんどのクレジット会社や消費者金融は、平成19年~20年には、利息制限法の上限金利に合わせて、適法な金利にまで下げました。
そのため、平成19年~20年以降に借り始めている場合には、過払い金は発生していない可能性が高いです。
まずは、自分が最初に借り入れした日が、平成19年~20年よりも前かどうか、確認しましょう。
自分の記憶と手持ちの資料(契約書、借用書、ATMの伝票、銀行の振込伝票など)を照らし合わせれば、確認できます。
取引履歴を取り寄せて引き直し計算する
過払い金は、払いすぎてしまった違法な金利のことなので、過払い金があるかどうか調べるには、過去の取引すべてについて、適法な金利で計算し直さないといけません。
過去の取引とは、過去の借入れ・返済の日付とその金額すべてです。
この過去の取引すべてを把握するためには、貸金業者から取引履歴を取り寄せる必要があります。
取引履歴を取り寄せたら、利息制限法の上限金利で計算しなおしてみましょう。
難しい場合は過払い金事務所へ
取引履歴を取り寄せても、利息制限法の金利で計算し直すのは、複雑で面倒です。
自分で計算するのが難しいと感じたら、過払い金事務所に依頼して、計算してもらう方が効率的でしょう。
記事まとめ
過払い金バブルと言われた時期は過ぎましたが、過払い金請求はまだしばらく続きます。
もっとも、過払い金には時効があるので、少しでも「自分にも過払い金があるかも」と思ったら、早く過払い金事務所に相談した方が得策です。
自分でも過払い金があるかどうか計算できますが、効率的に過払い金があるか知りたい場合は、過払い金事務所に計算してもらいましょう。