ミネルヴァ法律事務所は2020年に破産してしまった弁護士法人ですが、過払い金のCMで有名なあの中央事務所と何かしらの関係があるのでしょうか?
この記事では、中央事務所とミネルヴァ法律事務所の関係について紹介します。
中央事務所とミネルヴァ法律事務所の違い
中央事務所とミネルヴァ法律事務所にはどのような違いがあるのでしょう。
2つの事務所の違いを表にまとめてみました。
中央事務所 | ミネルヴァ | |
法人の種類 | 司法書士法人 | 弁護士法人 |
設立 | 2017年 | 2010年 |
現在 | 現在も営業中 | 2020年に破産 |
拠点数 | 東京含め 全国4拠点 | 東京のみ1拠点 |
従業員数 | 約570名 | 6名(弁護士) |
主な取り扱い分野 | 過払い金、債務整理 | 過払い金、債務整理、B型肝炎 |
ミネルヴァ法律事務所は破産している
中央事務所は2018年に「司法書士法人中央新宿事務所」から「司法書士法人中央事務所」に名称変更しています。しかしトラブルがあったわけではなく、現在も営業を継続中です。一方でミネルヴァ法律事務所は2020年に破産し、事務所を閉鎖しています。
従業員の違い
中央事務所は司法書士ほか従業員合わせて570名の大所帯の一方、ミネルヴァ法律事務所は弁護士6名だけです。ただしミネルヴァ法律事務所ではアウトソーシングの派遣社員が働いていました。はっきりとした人数はわかりませんが、実際に働いていた人数はもう少し多いはずです。
ミネルヴァ法律事務所とは
東京ミネルヴァ法律事務所とは、2010年に設立された弁護士法人です。過払い金などの債務整理、B型肝炎給付金請求などを主に扱っていましたが、2020年6月に約51億円の負債を抱えて破産してしまいました。破産の理由は回収した過払い金を使い込んだだめ、依頼者に返金することができなくなったことでした。負債金額は弁護士法人としては過去最大だったということです。
全国ネットのCMなどを利用して積極的に宣伝を行い、全国各地で出張無料相談会を開催するなどしていて、一定の知名度があった点では中央事務所と似ているかもしれません。
ちなみに、中央事務所では使い込みなどのトラブルは現在も過去にも起きていません。
ミネルヴァ法律事務所の破産の真実
ミネルヴァ法律事務所は設立された2010年当初から預金残高が預かり金額を割り込んでおり、破産するまで一度もそれが消化されたことがありませんでした。ここでいう預り金とは「金融業者から戻ってきた過払金の返還金と、依頼者から振り込まれた金融業者に対する弁済資金」のことです。本来なら法律事務所の預金残高は自己資金と預り金の積み上げになっているはずなのですが、預り金よりも少なくなっているのはおかしいですよね。
実はミネルヴァ法律事務所の破産事件には黒幕が存在します。士業専門の広告代理店㈱リーガルビジョンです。この会社は経営が苦しい法律事務所に近づいては、過払い顧客を集めるための広告を提示し、集客させていました。その上で関連会社がアウトソーシングをして、経理などの事務員の人材派遣を行います。事務所の運営を㈱リーガルビジョンに丸投げする形になり、徐々に支配されることになるのです。
その結果ミネルヴァ法律事務所も㈱リーガルビジョンに操られ、身動きの取れない状況になりました。
破産当時ミネルヴァ法律事務所の代表は3代目でしたが、先代の時点ですでに「4億円」の預り金の流用があったそうです。なんとか状況を打開しようと集客や収益増加に力を入れますが、結局広告代理店である㈱リーガルビジョンを頼る結果となり、支配からの脱却はできませんでした。
すっかりコントロール下に置かれて自らの破産申し立てすらできない状況にあったミネルヴァ法律事務所は弁護士会に助けを求め、弁護士会はミネルヴァの残った資産を被害者救済に充てられるよう破産申し立てをしました。
ミネルヴァ法律事務所の評判は悪かった?
東京ミネルヴァ法律事務所の過払い請求に関する口コミはWeb上にありませんでした。
しかし広告会社に支配されて倒産に追い込まれたことから、所属弁護士の経験の浅さ,未熟さを感じさせ、レベルの高い仕事期待できなかったのではないかと考えられます。また法律を知らない素人の派遣社員が過払い請求の実務をしていたので、金融業者との交渉など行えず、業者の言い値の低い金額で和解していたはずです。
しかもミネルヴァ法律事務所は弁護士事務所。過払い請求の料金は成功報酬20,000円/1社、過払い報酬20%(訴訟の場合25%)がかかります。弁護士事務所では相場通りですが、司法書士よりも費用がかかります。仕事のレベルが低い、費用が高い、過払い金が戻ってこない、という状況では決して評判がよかったとはいえないでしょう。
ミネルヴァ法律事務所の概要
ミネルヴァ法律事務所は東京都港区を拠点にしていた弁護士法人で、代表の川島浩弁護士や樫塚紘之弁護士を含め、合計6名の弁護士が在籍していました。残念ながら2020年6月24日、弁護士会の会費が支払われていないことを理由に、弁護士法人としては過去最大の約51億円に及ぶ負債総額を抱えて破産しています。
設立したのは2012年4月、過払い金請求、債務整理、B型肝炎給付金請求など幅広い業務を展開していました。またテレビCMで積極的な広告活動を行なったり、全国各地で出張無料相談会を開催したりすることで実績を重ねたため、大きな知名度がありました。破産までの解決実績は累計17000件以上に及びます。
中央事務所とミネルヴァ法律事務所の関係
中央事務所とミネルヴァ法律事務所は全く関係ありません。「主に過払い金を扱っていること」や「東京に拠点があること」、「CMを打ち出している(いた)こと」などが共通点として挙げられます。しかし、2つの事務所は全く別の事務所です。
中央事務所 | ミネルヴァ | |
法人の種類 | 司法書士法人 | 弁護士法人 |
設立 | 2017年 | 2010年 |
現在 | 現在も営業中 | 2020年に破産 |
代表 | 田中秀平司法書士 | 川島浩弁護士 |
中央事務所は「司法書士法人」、ミネルヴァ法律事務所は「弁護士法人」という点が関係ないことを裏付ける根拠といえます。司法書士には過払い金請求で対応できる範囲に限界があります。司法書士は司法書士法第3条により、請求金額が140万円を超えると、裁判手続を行うことも、交渉を行うことも、してはいけないと決められています。同じ系列なら、対応範囲に制限のある司法書士事務所をわざわざ後から設立したりしないでしょう。また2020年ミネルヴァ法律事務所が破産したときに、中央事務所が何も影響を受けていないことからも、関係ないことがわかります。
中央事務所とは
中央事務所とは、2017年に設立された東京都新宿区を本拠地とした業界最大手の司法書士事務所です。名古屋、大阪、九州博多に支店があります。ただし支店のある地域だけではなく、全国の過払い金の案件に対応しています。
過払い金や債務整理に力をいれている事務所で、相談件数は多い月で2万件にのぼります。
テレビやラジオのCM、オンラインの広告で目や耳にしたことがある人が多いのではないでしょうか。規模が大きく、知名度もあるところが中央事務所の特徴です。実際に多くの人が中央事務所で過払い返還を行っています。
過払い金の事務所の選び方
過払い金請求ができる事務所は、その地域だけでもいくつもあり、どこに依頼すれば失敗しないのかと迷ってしまいますよね。
過払い金請求をする際に、依頼する事務所を選ぶのにはポイントがあります。
・完全成功報酬制
過払い金請求を依頼するのにはお金がかかるので、結果的に損をするのが不安な方もいるでしょう。完全成功報酬型の事務所は、簡単に言えば「過払い金が手元に戻ってこない限り料金が発生しない」という仕組みになっています。そのため損をする心配がなく、依頼することができます。
成功報酬制の事務所について詳しく知りたい方は下の記事を読んでみてください。
【過払い金】成功報酬の業者を比較
・実績が多い事務所
過払い金請求が専門で、実際に返還を行った実績が一定数ある事務所がおすすめ。万が一難しい交渉が必要になった場合も、積み重ねてきたノウハウをもとに対応できる可能性が高くなります。また周りに絶対バレたくないなどの個々のケースにも慣れていて安心です。
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