過払い金が発生する借入の年数はどれくらい?【モデルケースをご紹介】

過払い金が発生する借入の年数はどれくらい?【モデルケースをご紹介】 過払い金の知識

発生する「過払い金の金額」と「借入の年数」は大きな関係があります。

何円をどのくらい借りていれば、どのくらい過払い金が発生するのか気になりますよね。今回は過払い金が発生する借入の年数のモデルケースや、過払い金がいくら発生しているのか調べる方法などを詳しくご紹介していきます。

ぜひ最後まで読んで、過払い金請求の参考にしてください。

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年数以外にもある!過払い金の発生条件

過払い金は原則として「借入の金額が大きい」ほど「取引の年数が長い」ほど、戻ってくる金額が大きくなります。しかし過払い金の発生条件はそれだけではありません。

どのような条件が満たされれば、過払い金が発生する確率が高まるのでしょうか?

借り入れの利子

第一の条件は「借入の利子」です。以前は借金の上限金利が「出資法(29.2%)」と「利息制限法(15~20%)」の2つの法律で定められていました。基本的に貸金業者は利息制限法に従って貸付を行わなくてはいけませんが、一定の要件を満たせば出資法の利息制限法と出資法の間の金利での貸付も認められていたのです。

つまり簡単に言うと、「利息制限法より高い金利で貸し付けていた利息部分(グレーゾーン金利)」が過払い金になります。利息制限法の上限金利と差があるほど過払い金が高くなり、逆に差がなければ過払い金は発生しません。

借入のタイミング

どんなに長い年数の取引があっても、借入の時期によって過払い金は発生しません。

2010年6月18日より出資法が改正されたため、これ以降の借入は過払い金が発生しなくなりました。しかしそれ以前から、自主的に上限金利を引き下げた貸金業者もあります。

貸金業者変更時期
アイフル2007年8月1日
プロミス2007年12月19日
レイク2007年12月2日
アコム2007年6月18日
イオン2007年3月11日
エポス2007年3月16日
セゾン2007年7月14日
オリコ2007年4月1日

このような業者にお金を借りた場合、借入時期が2010年6月17日以前であっても過払い金は発生しませんのでご注意ください。

過払い金が発生する借入の年数は○年以上?モデルケースでご紹介

利息は、以下の計算式で計算することができます。

利息=元金×金利÷365×取引日数

過払い金は出資法での利息と利息制限法の利息の差になるので、

(元金×出資法の金利÷365×取引日数)-(元金×利息制限法の金利÷365×取引日数)

元金×取引日数×(出資法の金利-利息制限法の金利)÷365

上の式で求められるのが、過払い金です。

ただし実際の借入は借り増ししたり途中で取引の期間が開いていたりすることもあるので、これはあくまでモデルケースの計算式といえます。

過払い金はたとえ10,000円を1年だけ借りた場合でも、発生する可能性があります。しかし1,000円ほどの過払い金が戻ったとしても、手間ばかりかかって魅力的だと思えませんよね。

ここでは戻ってくる過払い金が20万円以上になるタイミングと1~30年取引を続けた場合の過払い金のモデルケースをご紹介します。

8万円の借金の場合は27年以上

8万円を借り入れて過払い金が20万円になるには、27年以上の取引が必要です。

8万×取引日数(29.2%-20%)=20万

取引日数=20万÷8万÷(29.2%-20%)

約27.17年以上取引を続ければ、20万円以上の過払い金が発生します。8万円の借金から20万円が生まれるなんて、驚きですよね。

また8万円を借り入れた場合、過払い金の目安は以下の通りです。11年後には、借金の元金と同じだけの過払い金が発生することになります。

取引年数発生する過払い金取引年数発生する過払い金
17,36016117,760
214,72017125,120
322,08018132,480
429,44019139,840
536,80020147,200
644,16021154,560
751,52022161,920
858,88023169,280
966,24024176,640
1073,60025184,000
1180,96026191,360
1288,32027198,720
1395,68028206,080
14103,04029213,440
15110,40030220,800

8万円の借金だと過払い金の年数に対する過払い金の発生額の増加は緩やかなので、高額の過払金が手元の戻ってくるのは難しいかもしれません。専門家に依頼するときは「初期費用無料」「完全成功報酬制」など、できるだけ費用がかからない事務所を選ぶようにしましょう。

20万円の借金の場合は9年以上

20万円を借り入れて過払い金が20万円になるには、9年以上の取引が必要です。

20万×取引日数(29.2%-18%)=20万

取引日数=20万÷20万÷(29.2%-18%)

約8.92年以上取引を続ければ、20万円以上の過払い金が発生します。9年ほどの取引なら、20万円の借金から20万円の過払い金が発生することは十分にあり得るのではないでしょうか。20万円といえば、新卒の1ヵ月分の初任給にも相当しますので戻ってくると嬉しいですよね。

20万円を借り入れた場合、過払い金の目安は以下のようになります。

取引年数発生する過払い金取引年数発生する過払い金
122,40016358,400
244,80017380,800
367,20018403,200
489,60019425,600
5112,00020448,000
6134,40021470,400
7156,80022492,800
8179,20023515,200
9201,60024537,600
10224,00025560,000
11246,40026582,400
12268,80027604,800
13291,20028627,200
14313,60029649,600
15336,00030672,000

元金20万円は生活費の足しなどに主婦の方でも気軽に借りやすい金額です。借りたり返したりをなんとなく続けているうちに、大きな過払い金が発生しているかもしれませんよ。

50万円の借金の場合は3年半以上

50万円借り入れて過払い金が20万円になるには、3年半以上の取引が必要です。

50万×取引日数(29.2%-18%)=20万

取引日数=20万÷50万÷(29.2%-18%)

たった約3.57年以上取引を続ければ、20万円以上の過払い金が発生します。

50万円を借り入れた場合、過払い金の目安は以下のようになります。

取引年数発生する過払い金取引年数発生する過払い金
156,00016896,000
2112,00017952,000
3168,000181,008,000
4224,000191,064,000
5280,000201,120,000
6336,000211,176,000
7392,000221,232,000
8448,000231,288,000
9504,000241,344,000
10560,000251,400,000
11616,000261,456,000
12672,000271,512,000
13728,000281,568,000
14784,000291,624,000
15840,000301,680,000

50万円は少ない額ではないので、5~10年かけて返済した方も多いのではないでしょうか。大きな過払い金が戻ってくるチャンスなので、過払い金調査をすることをおすすめします。

100万円の借金の場合は1年半以上

100万円を借り入れた場合、たった1年半ほど取引を続けて入れば20万円の過払い金が発生します。

100万×取引日数(29.2%-15%)=20万

取引日数=20万÷100万÷(29.2%-15%)

たった約1.40年以上取引で、20万円以上の過払い金が発生します。元金が100万円だと取引が1年長くなるごとに高額の過払金が発生するので、過払い金請求をしないと確実に損をすることになるでしょう。

100万円を借り入れた場合、過払い金の目安は以下のようになります。

取引年数発生する過払い金取引年数発生する過払い金
1142,000162,272,000
2284,000172,414,000
3426,000182,556,000
4568,000192,698,000
5710,000202,840,000
6852,000212,982,000
7994,000223,124,000
81,136,000233,266,000
91,278,000243,408,000
101,420,000253,550,000
111,562,000263,692,000
121,704,000273,834,000
131,846,000283,976,000
141,988,000294,118,000
152,130,000304,260,000

7年半取引していれば、100万円以上の過払い金が戻ってくる可能性もあります。貸金業者との過払い金交渉に強い事務所に依頼して、ぜひ多くの過払い金を取り戻してください。

過払い金がいくら発生しているのか調べる方法

過払い金の無料診断

一番手軽な過払い金を調べる方法は、過払い金請求を扱っている事務所の無料診断です。

無料診断には以下の種類があります。

  • メールで必要情報を送り、事務所の担当者が後からメールや電話で結果を教えてくれる
  • 事務所にフリーダイヤルで直接電話をかけ、診断を受ける

診断で必要な情報はお金を借りた貸金業者や借金の残高、取引をしていた時期です。これらの情報をもとに担当者が「過払い金の有無」や「過払い金がいくら発生しているか」診断してくれます。

取引履歴を取り寄せて、自分で計算する

貸金業者から取引履歴を取り寄せて、自分で計算する方法もあります。過払い金の計算ソフトがインターネット上でダウンロードできますので、地道な作業ですが計算自体は難しくありません。ただし自力で計算すると、計算を間違ったり取引内容の判断が難しかったりすることもあるので注意が必要で

参照:名古屋消費者信用問題研究会 http://www.kabarai.net/index.html

以下のサイトでは引き直し計算のソフトが無料ダウンロードできますので、参考にしてみてください。

参照元URL
名古屋消費者信用問題研究会http://www.kabarai.net/index.html

専門家に調査してもらう

一番確実に過払い金がいくら発生しているかを知る方法は、弁護士や司法書士といった専門家に調査してもらうことです。

「専門家の調査はお金がかかるのでは?」と、不安になる方もいらっしゃるでしょう。しかし事務所によっては過払い金調査」までは無料で行ってくれるところもあります。まずは相談無料の事務所に相談して、過払い金調査が無料でできるか確認してみましょう。

過払い金の無料診断のデメリットはある?

完済した過払い金の過払い金請求の場合、デメリットもリスクもほぼありません。強いて挙げるとするならば過払い金請求の対象にした貸金業者の「社内ブラック」になる可能性があることです。貸金業者のカードが使えなくなったり、新たなローンの審査が通りにくくなったりしますが、貸金業者は他にもあるので深刻な問題ではないでしょう。

返済中の過払い金請求は借金が残ってしまい、「任意整理」に方針変更になる場合があります。任意整理すると信用情報機関に事故情報が載り、完済後5年間はクレジットカードやローンの新規契約ができなくなります。

しかし任意整理をすれば借金の残額が減額されるので、経済的な負担が軽減され将来の見通しが立てやすくなるはずです。任意整理が必ずしもデメリットになるとは限りません。

記事まとめ

過払い金は年数だけでなく、借り入れた時期や貸金業者など、素人では判断できないことがたくさんです。過払い金を確実に取り戻したいなら、まずは専門家に相談しましょう。

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