自分で債務整理は一般的に難しいと言われています。ネックになるのが書類作成と、貸金業者との交渉です。
特に交渉を失敗すると、弁護士や司法書士に依頼するよりも不利な条件で和解してしまうリスクがあるのが最大の問題点です。
しかし、「絶対に無理!」というわけではありません。
この記事では、実際に自分で債務整理を試みた人の口コミをもとに、
どのようなリスクがあるのか?どの方法なら可能性があるのか?を詳しく解説します。
債務整理は自分でできる?
債務整理は、一般的には自分で行うことは難しいと言われています。
しかし、費用が掛からない分、少し不利になったとしても自分で行う方が安く済むでしょうか?
ここでは、任意整理、個人再生、自己破産を自分でする人が、どんなところでつまづきやすいのかを詳しく紹介します。
任意整理
任意整理は、債務整理の中では唯一の私的な交渉で、裁判所を通した手続きではありません。よって難しいのは貸金業者との交渉です。個人での交渉は、後回しにされたり、妥協した条件での和解に持ち込まれたりと難しいと言われています。交渉に自信のある方はできるかもしれません。
また、任意整理の場合も、引き直し計算や貸金業者に提出する書類の作成は必須です。これも意外と複雑で、素人がやるのには時間がかかります。
任意整理は、「自分でやろうとしたが、途中であきらめて弁護士に依頼した」という方もいて、自分でやるのが少し難しい手続きです。交渉力に自信のある方は、チャレンジの価値があるかもしれません。
個人再生・自己破産
個人再生と自己破産では、用意するべき複雑な書類が多く、提出のタイミングにも決まりがあるため、滞りなく債務整理手続きを行うには、勉強が必要でとても時間がかかります。
さらに個人再生や自己破産にもなると、債権者が多数いるなど複雑なケースが増えるため、自分で判断するにはさらに勉強を重ねる必要がでてきます。
ある調査では、2017年に個人再生の手続きを最後まで自分でやった人は0.13%でした。約1000人に一人です。勉強して書類を作成し、手続きを最後まで問題なく遂行する自信のあるかたは自分でやるのもいいかもしれません。ただし書類に不備があってなかなか手続きが進まずに時間がかかってしまうリスクや、失敗に終わり結局は弁護士に頼み今までの時間が無駄になってしまうリスクなどがあります。
そもそも、裁判所側も「安易な手続きではないため、弁護士に依頼することを推奨する」としています。
過払い金請求
債務整理の中でも、特定調停や過払い金請求は難しいものの自分でできたという方もちらほら見受けられます。
過払い金請求に関しては、過払い金請求が一般的になり始めた時期と、終焉を迎えつつある今とでは状況が異なります。当初と比べ、業者との交渉の難易度が上がっています。
現在では、自分で手続きする人は非常に少ないと言われています。
もちろん自分でやってはいけないというルールはありません。自分でやった人の体験談を参考にする際は、できるだけ最近のものを参考にするようにしましょう。

特定調停
最も手続きが簡単なのは特定調停です。しかし特定調停は、そもそも弁護士に依頼したとしても失敗する確率も高くあまり利用されていません。成功率がは3%とも言われています。頑張って手続きしたとしても、業者が必ずしも合意してくれるとは限らず、途中であきらめる方も多い手続きです。
特定調停では、裁判所が仲介してくれて、債権者との金銭関係の調整を行います。特定調停は、成功率の面からはおすすめとは言えませんが、債務整理の中では比較的自分でやるのが簡単とされています。かかるお金も1社あたり500円、裁判所への行く回数も2~3回と低コストで手続きが可能です。実際に自分で手続きする方もいるようです。
しかし成功したとしても、必ず借金が減額されるわけではないため、やはり専門家もおすすめしていない方法です。無駄に終わる可能性があるためです。ダメもとでも安くチャレンジしたい方にはおすすめです。
債務整理を自分でやるメリット・デメリット
債務整理を自分でやるメリット
債務整理を自分でやることには、以下のようなメリットがあります。
- 費用が抑えられる
- ひとつの勉強・経験になる
- 大変なのでもう借金しようと思わない
費用が抑えられる

任意整理の費用は、5~15万が相場です。自分で行うことができれば、大きいですよね。
個人再生と自己破産の場合は、弁護士費用は抑えられますが、自分でやる場合でも裁判手続き費用20~50万円を裁判所に納める必要があります。これに加えて依頼する場合には、数十万円の弁護士費用が必要です。
ただし、任意整理でも個人再生・自己破産でも、弁護士費用は分割払いにしてくれる事務所も多いです。特に任意整理では、手持ちのお金がなくても手続きを行うことが可能です。
法律やお金の勉強になる
債務整理の手続きを進める中で、
借金の仕組み、貸金業者との交渉方法、法律に関する知識を学ぶことができます。
これは、将来的にお金の管理能力を向上させるきっかけになるかもしれません。
勉強もかねて自分で債務整理を進めてみるのも、大変ですが良い経験になるかもしれません。
借金を二度としないという意識が高まる
債務整理は、書類の準備や交渉など非常に手間がかかる作業です。
自分で経験することで、「もう二度と借金はしたくない!」と強く思うきっかけになります。
借金を繰り返してしまう人の中には、「返済の仕組みがよく分かっていない」「気軽に借りられると思っている」方も多いです。
自力で債務整理をすることで、お金の管理意識が高まり、今後の借金を防ぐことにもつながるでしょう。
債務整理を自分でやるデメリット
債務整理を自分でやると、以下のようなデメリットが発生することが考えられます。
- 時間がかかる
- 失敗のリスクがある
- 取立てはすぐにストップしない
- 債務整理が周りにバレやすい
- 作業がなかなか進まず長引いてしまう
- 専門家に依頼するよりも不利な条件での和解になってしまうことも
債務整理が周りにバレやすい
自分で債務整理を行う際は、貸金業者や裁判所とのやりとりを、郵送や電話・メールなどで行います。気を付けなければ、家族だけではなく会社や周りの知人にも、債務整理を知られてしまう可能性があります。
作業がなかなか進まず長引いてしまう
債務整理は、事務所に依頼して最短での手続きでも3~9か月ほどかかります。自分でやるとなると、そこまでスムーズにはできないため、返済が楽になるまでにはさらに長い時間がかかってしまうことになります。
また、事務所に依頼すると、事務所が受任通知を送った時点で手続き開始までは、返済がストップになりますが自分で手続きする際はそのような仕組みはありません。
交渉に失敗すると不利な条件で和解になる
任意整理では、貸金業者と「どの条件で和解するか」を交渉します。
しかし、交渉の知識や経験がないと、不利な条件で妥協させられてしまう可能性があります。
例えば以下のようなケースで損をしてしまうかもしれません。
- 本来カットできるはずの「将来利息」がカットされず、結果的に損をする
- 分割払いの回数が短く設定され、月々の支払い負担が大きくなる
- 過払い金が発生していたのに、請求せずにそのまま支払ってしまう
貸金業者は交渉のプロなので、法律の知識がない個人が交渉を成功させるのは簡単ではありません。
債務整理を自分でやった人の体験談
知恵袋では、債務整理を自分でやろうと検討している方も多くいて、「実際にやってみたけど自分ではできなかったので、途中から弁護士に相談した」や「手続きや和解へ向けての交渉が特別得意でないと、複雑に感じる」などの口コミがありました。
Q. 任意整理は自分でできると聞きました。お金もないので自分で挑戦してみようかと思いますが、なにか注意点があればおしえてください。
Yahoo!知恵袋
A. 自分でやるのはやめた方が良いですよ。債権回収の担当者に丸め込まれて泣きを見るのが落ち。私の場合は結局途中から弁護士さんに相談しました。
Q. 任意整理に詳しい方、された方に質問です。 任意整理は自分でできるのでしょうか?(中略)
簡単にできそうですが本来なら司法書士や弁護士の方に依頼するようなので自分でやるとデメリットはありますか?A. 任意整理は業者との交渉ですから個人で出来ない訳では有りませんがある程度の知識と時間が必要です。
ここで質問をする位だと無理ですよ。
自分でやる場合、そもそも金融機関が相手にしてくれないことや、不利な条件で和解されてしまう事が有ります。
司法書士や弁護士に受任されると金融機関は返済の催促を止めますし、返済自体もストップします、個人だと止まりません。
後債務の引き直しなどもしなくてはいけません、こう言う事が得意な方は簡単だからと自分で行う事を勧めますが、実際には複雑です。
Yahoo!知恵袋
※文章内の誤字を一部修正して引用しております
債務整理を弁護士・司法書士に依頼する4つのメリット
債務整理を自分でやることは可能ですが、弁護士や司法書士にお願いしたほうがラクで確実に進められます。ここでは、専門家に依頼することで得られる4つの大きなメリットを紹介します。
① 取り立てがすぐに止まる
借金を滞納すると、貸金業者からの取り立てが続きます。
「毎日電話が来てつらい…」「家族にバレそうで不安…」という人もいるでしょう。
弁護士や司法書士に依頼すると、すぐに「受任通知」を送ってくれるので、取り立てがストップします。
業者は法律で決められているため、これ以上しつこく連絡することができません。
これだけでも、気持ちがグッとラクになります。
② 有利な条件で借金を減らせる
債務整理では、業者と交渉して「利息をカット」したり「月々の支払額を減らす」ことができます。
でも、個人で交渉すると、相手にされなかったり、逆に不利な条件を押し付けられることも…。
弁護士や司法書士なら、業者との交渉に慣れているので、有利な条件を引き出せる可能性が高いです。
③ 手続きのミスを防げる
債務整理には、たくさんの書類を作る必要があります。
特に「個人再生」や「自己破産」は、裁判所に提出する書類も多く、ミスがあると手続きがストップしてしまいます。
弁護士・司法書士にお願いすれば、書類の作成や手続きの流れをすべて任せることができるので、失敗の心配がありません。
「自分でやろうとしたけど、書類が難しくて結局専門家に頼んだ」という人も多いです。
④ 家族や職場にバレるリスクが減る
自分で債務整理をすると、業者からの電話や手紙が増えるため、家族や会社に知られる可能性があります。
でも、弁護士や司法書士に依頼すれば、すべての連絡は専門家経由になるので、家族や職場にバレにくくなります。
また、債務整理をしても会社に通知が行くことは基本的にないので、仕事を支障が出ることもありません。
債務整理するなら実績の豊富な事務所がおすすめ
債務整理ができる弁護士・司法書士事務所はたくさんあり、どれも同じように見えますよね。
しかし、安易に事務所を選んでしまうと、途中で信用できなくなったり損する結果になったりして、嫌な思いをする可能性もあります。
そこで、損するリスクを回避して、スムーズに債務整理をするための事務所選びのコツを2つご紹介します。
債務整理に特化した事務所を選ぶ
相談するなら債務整理に特化した司法書士・弁護士事務所がおすすめです。借金問題を専門として扱う事務所は、実績が豊富で、きちんと対応してくれる傾向にあります。
利用する安心感も違いますし、解決のスムーズさも違うでしょう。トラブルに巻き込まれるリスクも減らすことができます。
相談が無料の事務所
わざわざ事務所へ出向き、お金をかけて債務整理の相談をしても、借金減額に至らなければ損をするだけになってしまいます。
債務整理は、法律相談を無料で行っている事務所がおすすめです。
無料相談は質が低いのでは?と心配になるかもしれません。しかし無料相談とはいえ、実際に利用した人の声をきいてみると有料の相談と比べて遜色ありません。
債務整理におすすめの事務所3つ
債務整理の実績が豊富で、相談無料の事務所のなかで、おすすめの事務所を3つ紹介します。
債務整理にも力を入れている事務所です。
どの事務所も全国対応なので、地方の案件でも柔軟な対応が可能です。
債務整理を自分でやるために必要なもの

上で紹介した通り、債務整理は自分でやるのは難しいですが、それでもチャレンジしたいという方へ向けて、債務整理を自分でやるにあたって必要なものを紹介します。
- 本人確認書類、印鑑
- 諸経費(郵便物、交通費、印紙代など)
- 取引履歴
- パソコンと引き直し計算ができるソフト
- 書類(債権者一覧表、住民票写し、給与明細などの収入証明書類、登記事項証明書、再生債務者の財産目録など)
ここで紹介した書類は、あくまでも例です。必要な書類は手続きによっても異なりますし、債務整理を行う人や財産の状況によって追加で必要となります。
過払い金の計算・シミュレーションページのおすすめ4選
↑引き直し計算のソフトややり方も紹介しています。
債務整理を自分でやる流れ
債務整理を自分でやる流れは以下の通りです。債務整理の種類によって多少異なりますが、おおまかには一緒です。
- 取引履歴を準備し、引き直し計算を行う
- 過払い金があれば過払い金請求
- その他必要な書類をすべてそろえる
- 裁判所または貸金業者に債務整理の申込書を送付する
- 交渉または裁判所での手続き
- 返済開始(任意整理・個人再生の場合)
一般的に、任意整理、個人再生、自己破産の手続きは、3~6か月かかります。自分でやるとそれ以上かかると考えていたほうがいいでしょう。
ちなみに、引き直し計算は2000円程度の代行サービスもあるので、自信がない方はそこだけ利用するなどの工夫をしてみましょう。
記事まとめ
この記事では、債務整理を自分でやる方法やそのデメリットなどを紹介しましたが、いかがでしたか?
やはり経験者も言うように、債務整理は簡単そうに見えるけれども、簡易な手続きではないため、専門家に任せるのが結果的にはベストとなるケースが多いかもしれません。