「依頼したい事務所が遠くて行くのが難しい」
「体が悪くて、事務所まで行けない」
「忙しくて、面談の時間なんてない」
任意整理を考えているけど事務所に行くのが難しいとき、「面談なしでできますよ」と言われたら嬉しいですよね。しかし弁護士や司法書士は、面談なしでも任意整理の依頼を受けてくれるのでしょうか?
今回は面談なしで任意整理をしたい人に向けて、面談なしの任意整理は問題ないのか、どのような方法が可能なのか、などを詳しく解説していきます。
任意整理は面談なしでも問題ない?信用できる?
任意整理を弁護士や司法書士に依頼する場合、原則として電話やメールなどだけではなく一度は実際に担当者と会って面談をしてからでないと依頼することはできません。
これは「日本弁護士連合会」、「日本司法書士連合会」のそれぞれで決められていることです。
弁護士は債務整理事件を受任するに当たっては、あらかじめ、当該事件を受任する予定の弁護士(中略)が当該債務者と自ら面談をして、次に掲げる事項を聴取しなければならない。
引用元:日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_93r.pdf
債務整理事件の依頼を受けるにあたっては、依頼者又はその法定代理人と直接面談して行うものとする。
引用元:日本司法書士会連合会「債務整理事件の処理に関する指針」chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/http://shiho-shoshi.or.jp/cms/wp-content/uploads/2010/08/saimu_shishin_2.pdf
しかし、弁護士は「特段の事情がある場合」、司法書士は「面談をしない合理的な理由がある場合で面談以外の方法によって依頼者の本人確認等ができるとき」は直接面談をしなくても、依頼を受けられることになっています。
つまり直接面談なしでも、正当な理由さえあれば任意整理を依頼することは可能です。
例外的に任意整理が面談なしでできるケース
先にも述べた通り、弁護士や司法書士に任意整理を依頼する際面談は原則必要ですが。しかし面談をしなくても依頼を受けてもらえるケースもあります。
面談なしでも依頼できる例を挙げてみましょう。
条件 | 具体例 |
---|---|
依頼者が遠方に住んでおり、事務所まで行くのが困難 | 離島や地方に住んでいるため、都市部の事務所に行くのが難しい場合 |
健康上の理由で移動が困難 | 介護が必要な状態、重い持病や障害がある場合 |
緊急性が高いケース | 借金の督促がすでに始まっており、早急な対応が必要な場合 |
従来からの依頼者であり、以前に面談をしたことがある | 以前に同じ弁護士・司法書士に依頼したことがあるケース |
過払い金請求のみを行う場合 | すでに完済した借金に対する過払い金請求で、新たな借金整理が不要な場合 |
面談を受けるのが困難な人にとっては、非常に嬉しいですよね。
しかし一方では「面談なしで受任するのは、規定に違反している」「遠いや忙しいは面談できない理由にならない」といった厳しい意見もあり、全ての事務所が面談なしの依頼を受けているわけではありません。
面談なしでの任意整理はおすすめでない?メリット・デメリット
面談なしの手続きには良い点もあれば、注意が必要な点もあります。ここでは、面談なしの任意整理のメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
面談なしの任意整理のメリット
まずは、面談なしで手続きを進めることのメリットを見ていきましょう。
メリット①:自分の好きな事務所に依頼することができる
例えば「地方に住んでいるけど、東京の事務所にどうしても依頼したい!」といったとき、直接面談のためにわざわざ東京まで行くのはお金も時間もかかるので大変ですよね。面談なしの任意整理なら、遠方に出向かなくても自分の好きな事務所に依頼することができます。
しかし事務所によっては、担当の専門家が相談者の住まいの近くに出張して面談をしてくれるところもあります。
メリット②:家族や知り合いにバレるリスクを軽減できる
家族や知り合い事務所に出入りしているのを見られると、任意整理をしていることがバレるかもしれません。面談なしで依頼を受けてもらえれば、直接事務所に出向くことがないので周囲の人にバレる心配が減ります。
しかし面談が必要な事務所でも、事務所によっては相談者の事情に合わせて事務所以外の場所で担当する専門家と会うことも可能です。
メリット③:手続きがスピーディーに進むことがある
書類のやりとりをオンラインや郵送で行うことで、事務所への移動時間が不要になります。これにより、受任通知の発送や債権者との交渉を早く始めることができる場合もあります。
面談なしの任意整理のデメリット
一方で、面談なしの任意整理にはリスクもあります。特に、誤った手続きをしてしまったり、悪質な業者に依頼してしまうリスクが高くなるため、慎重に進める必要があります。
デメリット①:悪質な専門家に依頼してしまう可能性がある

「絶対に面談をしないと依頼は受けない!」としている一方で、電話やメールなどで気軽に依頼を受けるというのにはなんらかの理由があると考えられます。
「多くの依頼者の力になりたい」と考えている場合もありますが、単に利益を重視して簡単に依頼を引き受けている可能性もあるので注意が必要です。
面談がないことで時間の節約になっているのは依頼者だけでなく、事務所側も同じといえます。面談をしない分どんどん依頼を受けて、貸金業者と大した交渉もせずにお粗末な結果の実績を上げていけば、数字上は「実績豊富な事務所」になりますよね。
また依頼した側は他の事務所との違いを比較しようもないので、「手続きをしてくれてありがたい」となるわけです。
必ずしもこのような事務所ばかりではありませんが、質の高い専門家に依頼するなら直接面談をおすすめします。
デメリット②:説明を十分に受けることが難しい
電話やメールだと、任意整理の手続きの手順やリスクなどを詳しく聞くことが難しいです。
任意整理をすると、完済してから5年間ほどブラックリストに載るため、この期間に新しいローンやカードの契約ができない、保証人になれないなどのリスクがあります。
説明が漏れていたりちゃんと聞けていなかったりすると、後からトラブルになる恐れがあるので危険です。
デメリット③:費用が明確でない可能性がある
任意整理など債務整理にかかる費用は事務所によって様々なので、費用に関しては事務所側の言い値になります。
そのため「相場よりも高い費用を払わされていた」「過払い金が発生していたのに返してもらえなかった」ということになるかもしれません。
かかる費用は項目ごとに書面で明細を出してもらい、明確にしてから依頼することをおすすめします。
以上が面談なしで任意整理を進めるメリットとデメリットです。
面談なしの任意整理は、すべての人に適しているわけではありません。少しでも不安がある場合は、面談可能な事務所を選ぶか、オンライン面談で直接話を聞くのがベストです。
任意整理は面談なしでどうやる?面談ありとの違いとは
オンライン面談
オンライン面談は一番直接面談に近い形です。令和2年からのコロナウィルス蔓延に伴ってオンライン面談を採用している事務所も多くあります。
オンライン面談と直接面談の違いは契約書や同意書などの書類が、面談前に郵送されてくることです。本来なら面談時に渡される書類ですが、それだと間に合わないので事前に送ってこられます。
オンライン上で担当者の説明を聞きながら記入していく書類なので、慌てて記入しなくて大丈夫です。
電話のみ
電話のみと直接面談の違いは、以下の通りです
- 説明をしっかり受けるのが難しい
- 質の低い専門家に依頼する可能性がある
- 費用が不明瞭
先に述べたデメリットがそのまま違いになると言っても、過言ではないでしょう。また電話で「弁護士の○○です」と言われても、正直本物かどうか確かめようがないですよね。電話の場合は、本当に弁護士や司法書士かわからない人に依頼してしまう可能性もあるのでご注意ください。
メールのみ
メールと直接面談の違いは以下の通りです。
- 説明をしっかり受けるのが難しい
- 質の低い専門家に依頼する可能性がある
- 費用が不明瞭
- メールのやりとりになるので、契約するまでに時間がかかる
メールも電話と同じく、デメリットがそのまま違いになります。また直接顔を合わせることもないため、相手が本当の専門家かどうかも確かめられないです。さらにメールの場合は声も聞こえないので、どんな人に依頼しているのか全く想像がつきません。
面談なしの任意整理を成功させるための5つのコツ
面談なしで任意整理を進めることは可能ですが、慎重に進めないとトラブルに巻き込まれることもあります。ここでは、成功させるために押さえておくべき5つのコツを解説します。
1. 信頼できる法律事務所を選ぶ
面談なしで手続きを進める場合、悪質な業者に依頼してしまうリスクがあります。悪質な業者や手続きの不備が起こらないように、次のポイントを押さえておきましょう。
チェック項目 | 解説 |
---|---|
弁護士・司法書士の所属確認 | 日本弁護士連合会・日本司法書士会連合会の公式サイトで、所属確認ができるかチェック |
公式サイトの情報が充実しているか | 料金体系、手続きの流れ、実績などが明記されているか |
口コミや評判をチェック | Googleレビューや法律相談サイトの口コミを確認 |
契約書や重要事項説明書をしっかり提示するか | 書類を郵送で送ってくれるかどうか(契約書なしの事務所は危険) |
費用が明確かどうか | 「○万円~」と曖昧な表記ではなく、総額が明確になっているか |
特に「着手金が異常に安い」と感じた場合は注意が必要です。安価で依頼を受けた後、追加料金を請求されるトラブルが報告されています。
2. オンライン相談や郵送契約を活用する
面談なしの任意整理では、対面での説明がないため、事務所とやりとりする手段をしっかり確認しておきましょう。
- オンライン面談(ZoomやGoogle Meetなど)
→ 顔を見て話せるため、詐欺のリスクを減らせる - 電話やメールでの相談
→ 事務所の対応が丁寧かどうかを確認する - 契約書を郵送
→ 書類を送ってくれるかどうかを事前に確認する - クラウドサイン(電子契約)
→ パソコンやスマホで契約できる仕組みがあるか
事務所によって対応が異なるため、「契約は郵送か電子契約か?」を事前に確認することが大切です。
3. 契約書の内容をしっかり確認する
面談なしの任意整理では、契約書の内容をよく読まずにサインすると、後からトラブルになる可能性があります。
- 手続きにかかる費用は明確か
→ 「追加費用なし」と書かれているかをチェック - 支払い方法は分割も可能か
→ 一括払いを求められた場合は注意が必要 - 和解交渉の進め方が記載されているか
→ どの借金を対象にするのかが明確か - 途中で解約した場合の対応が書かれているか
→ 返金のルールがあるかを確認
特に「契約書がない」「口約束で進めようとする」事務所は信用できません。少しでも不安に感じたら、契約する前に相談しましょう。
4. 借金の状況を正確に伝える
事務所が適切な手続きを進めるためには、自分の借金の状況を正確に伝えることが重要です。
具体的には以下のような情報はなるべく正確に伝えるようにしましょう。
- 借りている会社名(銀行、消費者金融、クレジットカード会社など)
- 借りている金額と現在の残高
- 毎月の返済額と支払い状況
- 収入と支出のバランス(生活費、家賃、食費など)
- 保証人がいるかどうか
事務所によっては、借金の一覧を提出するよう求められることがあります。事前にメモや表を作成しておくとスムーズに進められます。
5. 進捗状況を定期的に確認する
面談なしの任意整理では、事務所と直接会う機会がないため、手続きがどこまで進んでいるのかをこまめに確認することが大切です。
進捗があれば担当者から連絡がある場合もありますが、特に以下のようなタイミングでは状況を把握しておくが良いです。
確認のタイミング | 確認すべき内容 |
---|---|
契約後すぐ | 受任通知(貸金業者への通知)が送られたか |
交渉中 | どの借金と和解交渉を進めているか |
和解成立時 | 和解条件(利息カット、返済額など)が適切か |
返済開始前 | 返済スケジュールが確定したか |
進捗状況がわからないまま放置すると、思った通りの条件で手続きが進まないこともあります。「連絡がないから大丈夫」と考えず、定期的に確認するようにしましょう。
以上が面談なしの任意整理を成功させるための5つのコツです。
繰り返しますが、直接面談をしない事務所全てが悪いというわけではありません。しかし直接面談をせずに任意整理を依頼すると、詐欺や悪質な専門家に引っかかる恐れがあります。くれぐれも用心して依頼するようにしてください。
任意整理を面談なし・メールだけでやる流れ

流れ①:問い合わせ
まずはメールで問い合わせをします。連絡手段・面談をメールで希望している旨を記載しておきましょう。
流れ②:事務所からの返信・相談
事務所からメールで返信がきます。メールでのやりとりがOKであれば、そのまま相談になります。全てメールでのやりとりになるので、相談から契約まで時間がかかる可能性があります。
流れ③:契約・依頼
事務所から契約書や重要事項説明書などが送られてくるので、署名・押印をして本人確認できる書類のコピーと一緒に返送します。メールで連絡を取っている場合は、契約書のないようについて専門家から直接説明を受けられません。書面の内容はよく読んで、不明点は事務所に確認するようにしましょう。
流れ④:費用の支払い
任意整理にかかる費用を事務所の指定口座に支払います。分割払いに対応している事務所もあるので、一括が難しい場合は事務所に相談してみましょう。
流れ⑤:任意整理の手続き
事務所が貸金業者と交渉して任意整理の手続きを始めます。基本的に手続きが完了するまで連絡はきません。
流れ⑥:手続き完了・貸金業者への返済開始
事務所から手続き完了の連絡がきますので、毎月決められた月に決められた金額を貸金業者に返済していきましょう。完済してから5年間は新たなローンやカードの契約ができませんので、ご注意ください。
債務整理するなら実績の豊富な事務所がおすすめ
債務整理ができる弁護士・司法書士事務所はたくさんあり、どれも同じように見えますよね。
しかし、安易に事務所を選んでしまうと、途中で信用できなくなったり損する結果になったりして、嫌な思いをする可能性もあります。
そこで、損するリスクを回避して、スムーズに債務整理をするための事務所選びのコツを2つご紹介します。
債務整理に特化した事務所を選ぶ
相談するなら債務整理に特化した司法書士・弁護士事務所がおすすめです。借金問題を専門として扱う事務所は、実績が豊富で、きちんと対応してくれる傾向にあります。
利用する安心感も違いますし、解決のスムーズさも違うでしょう。トラブルに巻き込まれるリスクも減らすことができます。
相談が無料の事務所
わざわざ事務所へ出向き、お金をかけて債務整理の相談をしても、借金減額に至らなければ損をするだけになってしまいます。
債務整理は、法律相談を無料で行っている事務所がおすすめです。
無料相談は質が低いのでは?と心配になるかもしれません。しかし無料相談とはいえ、実際に利用した人の声をきいてみると有料の相談と比べて遜色ありません。
債務整理におすすめの事務所3つ
債務整理の実績が豊富で、相談無料の事務所のなかで、おすすめの事務所を3つ紹介します。
債務整理にも力を入れている事務所です。
どの事務所も全国対応なので、地方の案件でも柔軟な対応が可能です。
まとめ
直接面談なしで任意整理をやる方法についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?面談をするのは面倒くさいと感じるかもしれませんが、担当の専門家と直接顔を合わせることで安心感を得られるはずです。
事務所に行くのが難しいというときは、面談なしよりもまずは出張面談やオンライン面談に対応していないか確認することをおすすめします。