債務整理と過払い金の違いは?

債務整理と過払い金の違いは? 債務整理の知識

債務整理と過払い金請求の違いには、何があるのでしょうか?

気を付けなくてはいけないのは、ブラックリストに載るかどうかや、住宅ローンが借りれなくなるなどのデメリットがあるかどうかを事前に把握することです。

この記事では、債務整理と過払い金請求がそれぞれどんなデメリットがあるのか、根本的に何が違うのかを解説していきます。

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債務整理と過払い金請求の違い

過払い金と債務整理は何が違う?手続き期間、大変さ、信用情報、弁護士費用

過払い金請求とはカードローンやキャッシングなどで支払い過ぎていた利息を請求することです。債務整理とは、過払い金請求に加えて借金の減額や免除を行う手続きです。過払い金が発生していない場合・請求できない場合は過払い金請求はせず、減額や免除の手続きのみを行います。

ちなみに過払い金請求は債務整理の一種です。債務整理には、過払い金請求のほかに任意整理、個人再生、自己破産などがあります。任意整理は交渉による今後の利息のカット、遅延損害金のカットなどを行い、現在の収入でも無理なく返済できるように計画を立てます。

各手続きの概要は下記のとおりです。

任意整理…将来利息のカット、過払い金の額に応じて借金を減額
個人再生…借金の総額を数分の1に圧縮
自己破産…借金が免除される

債務整理と過払い金はどちらが大変?

債務整理と過払い金では、一般的には債務整理のほうが大変です。任意整理では和解できない可能性がありますし、個人再生と自己破産は裁判所での手続きもありより時間がかかります。

一方、過払い金請求は法律事務所を通して行う場合に必要なのは1度の面談のみです。あとは待っていると過払い金が振り込まれます。

債務整理と過払い金の期間の違い

債務整理と過払い金請求、それぞれの手続きにかかる期間にはそこまで違いがありません。

詳細は以下の表の通りです。

裁判なし裁判あり
過払い金請求3~6か月6ヶ月~1年
任意整理3~6か月
個人再生1年~1年半
自己破産6ヶ月~1年

過払い金請求にかかる期間は一般的に3~6か月程度、より多額の過払い金を得るために裁判をする場合は半年~1年程度です。このうちほとんどの期間を占めるのが、貸金業者からの過払い金の入金待ちの時間です。

債務整理の手続き期間は、任意整理が3~6ヶ月程度、個人再生が1年~1年半程度、自己破産が6ヶ月~1年程度です。任意整理と個人再生は、整理後の返済期間が3~5年程度です。

過払い金請求でも債務整理でも、裁判所を通す手続きは基本的に期間が長く、裁判所を通さない任意の話し合いによる手続きは比較的期間が短い傾向にあります。

債務整理と過払い金の費用の違い

司法書士や弁護士にかかる費用は、過払い金請求のほうが債務整理に比べて料金が安いのが一般的です。それぞれの手続きの相場は以下の表の通りです。

費用の相場
過払い金請求2~5万円+過払い金の金額に応じた報酬
任意整理4~10万円+減額された借金の金額に応じた報酬
個人再生30~70万円
自己破産30~70万円

相場は、過払い金が着手金は無料、基本報酬が2~5万円、 過払い報酬が22%、任意整理は着手金が2~5万円、基本報酬が2~5万円、減額報酬が10%などです。個人再生、自己破産では30~70万円が相場になります。

任意整理では事務所側で和解案などを作成する必要があるため、過払い金請求に比べると費用があがります。また個人再生・自己破産では裁判所に申し立てする際に様々な書類の作成が必要で、かつ裁判所に対して支払う費用もあるため、費用総額が高くなります。

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債務整理と過払い金のブラックリスト・信用情報の違い

過払い金請求のみの場合は信用情報に影響はありません。一方、任意整理、個人再生、自己破産は信用情報機関に「事故情報」が登録されてしまいます。

登録される期間は以下の表の通りです。

信用情報の登録期間
過払い金請求登録なし
任意整理返済期間3~5年+5年
(トータル8~10年)
個人再生返済期間3~5年+5~10年
(トータル8~15年)
自己破産5~10年

個人再生と自己破産の登録機関に5~10年と幅があるのは、3つの信用情報機関(=ブラックリスト)によって対応が異なるためです。

ブラックリストに登録されると何ができなくなるのでしょうか?また今まで通り使えるものもあるのでしょうか?

信用情報が登録されている期間のできる・できないを以下の表にまとめました。

整理した
クレジットカード
その他の
クレジットカード
ローン各種
過払い金請求×半永久的に
社内ブラック
〇使える〇使える
任意整理×半永久的に
社内ブラック
×使えない×使えない
個人再生×半永久的に
社内ブラック
×使えない×使えない
自己破産×半永久的に
社内ブラック
×使えない×使えない

過払い金請求では、対象の会社のクレジットカードは使えなくなりますが、対象のカード以外は問題なく使え、新しく契約もできます。過払い金の請求は正当な権利だと認められているためです。

一方、債務整理で信用情報が登録されるとクレジットカードやローンの新規契約・利用ができなくなります。債務整理前から持っていたカードも更新のタイミングなどで使えなくなってしまいます。完済してから5~10年過ぎると事故情報が消去され、再び契約が可能になります。

住宅ローンの違い

過払い金請求をしても、住宅ローンは問題なく利用できます。一方、債務整理をした場合は5~10年ほどはブラックリストの登録期間であるためローンは全般的に利用できません。住宅ローンもNGです。

過払い金がある場合の債務整理

過払い金が発生していてかつ返済中の場合は、過払い金請求ではなく任意整理という区分の手続きになります。任意整理は、整理をする貸金業者を一つから選ぶことができます。保証人のついている借入や車のローンなど残したいものは残すことが可能です。そして選んだカードや借金の貸金業者と交渉することで過払い金の返還と将来利息のカットを行います。

任意整理でカットできるものは、他に「経過利息」(最後に返済した日から任意整理が成立した日までの利息)、「遅延損害金」(借金の返済が遅れたときに支払わなければならない賠償金)の2つがあります。

任意整理は、ブラックリストに載ります。ブラックリストに載ると、クレジットカードが使えなくなる、住宅ローンなどのローンや借入ができなくなるなどのデメリットがあるので、チェックする必要があります。

過払い金がない場合の債務整理

過払い金が発生していない場合の債務整理は、「将来利息」、「経過利息」、「遅延損害金」カットのみを行います。「利息のカットだけでは借金の総額が減らないのでは?」と思うのではないでしょうか。しかし利息カットだけでも、例えば月々の返済額が5万円から3.3万円に減額し、完済に至ったケースなどもあります。

困ったら司法書士・弁護士に相談しよう

過払い金請求や債務整理、任意整理にはさまざまなケースがあり、自分で知識を付けて判断することも大切ですが、専門家に相談して正しい理解をすることも同様に大切です。

迷って時間を無駄にしたり、過払い金の時効が来てしまったりする前に、司法書士に相談するのがおすすめです。

債務整理するなら実績の豊富な事務所がおすすめ

債務整理ができる弁護士・司法書士事務所はたくさんあり、どれも同じように見えますよね。

しかし、安易に事務所を選んでしまうと、途中で信用できなくなったり損する結果になったりして、嫌な思いをする可能性もあります。

そこで、損するリスクを回避して、スムーズに債務整理をするための事務所選びのコツを2つご紹介します。

債務整理に特化した事務所を選ぶ

相談するなら債務整理に特化した司法書士・弁護士事務所がおすすめです。借金問題を専門として扱う事務所は、実績が豊富で、きちんと対応してくれる傾向にあります。

利用する安心感も違いますし、解決のスムーズさも違うでしょう。トラブルに巻き込まれるリスクも減らすことができます。

相談が無料の事務所

わざわざ事務所へ出向き、お金をかけて債務整理の相談をしても、借金減額に至らなければ損をするだけになってしまいます。

債務整理は、法律相談を無料で行っている事務所がおすすめです。

無料相談は質が低いのでは?と心配になるかもしれません。しかし無料相談とはいえ、実際に利用した人の声をきいてみると有料の相談と比べて遜色ありません。

債務整理におすすめの事務所4つ

債務整理の実績が豊富で、相談無料の事務所のなかで、おすすめの事務所を4つ紹介します。

中央事務所は過払い金請求で有名ですが、債務整理にも力を入れている事務所です。

実績専門性初期費用
中央事務所
司法書士法人中央事務所
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相談実績
月3万件

専門性高め

無料
東京ロータス法律事務所
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扱う事務所

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どの事務所も全国対応なので、地方の案件でも柔軟な対応が可能です。

債務整理と過払い金のよくある質問

債務整理と過払い金請求の違いは?

過払い金請求では過払い金の請求のみですが、債務整理は過払い金請求に加えて、交渉・裁判による今後の利息のカット、遅延損害金のカットなどを行い、返済できるように調整します。

任意整理と過払い金請求の違いは?

払いすぎた利息を取り戻すのが過払い金請求で、任意整理は裁判所を通さずに交渉により、利息をカットして返済しやすくするように調整します。

ただし任意整理は、取引期間が短い場合や借金総額が少ない場合などは和解に至りにくいといったデメリットもあります。

債務整理のデメリットは?

債務整理(過払い金を除く)のデメリットは、信用情報が登録されてしまうことです。そうなると新しい借入やクレジットカードの発行が難しくなります。

過払い金請求のデメリットは?

過払い金請求でも借金を返済中の場合には、信用情報機関に情報が登録される可能性があります。完済している場合はそのような心配はありませんが、対象の会社のクレジットカードが一定期間使えなくなるというデメリットがあります。

記事まとめ

債務整理とは、過払い金請求、任意整理、個人再生、自己破産の4つを含めた借金の返済などを調整する手続きを指します。債務整理と過払い金請求の違いとして、過払い金請求は手続きの費用が比較的リーズナブルであること、信用情報機関に登録されないこと、かかる期間が比較的短いことなどが挙げられます。

ただ、さまざまなケースがあるので正しい知識を持つ専門家に相談してしまうのが、おすすめです。

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